運動力学と技術はゴルフの2割に過ぎない。残りの8割は哲学、ユーモア、悲劇、ロマンス、恋愛劇、交友、友情、意地の悪さ、そして会話である。
グラントランド・ライス(スポーツライター/米国)
私が言うまでもなく、ゴルフというのは非常に奥が深い競技です。
スイングひとつとっても満足いくものはできないのに、そこに哲学が、悲劇が、友情が、会話が乗っかってくるのです。
だからこそ、ゴルフとジョークというのは相性が良いのかもしれません。
そんな珠玉のゴルフジョークを集めました
美女ゴルファーとの4サム
3人組の男たちのお話。
ある日、彼らが1番ホールでティーショットの準備していたとき、すぐ後ろの組が女性1人のみだと気付きました。
その女性がとんでもない美人だったので、男たちはダメ元でこう尋ねます。
「良ければ、一緒に4サムで回りませんか?」
「良いんですけど、条件があります」と、美女ゴルファーは答えました。
「男性ゴルファーってアドバイスをしてくる人が多いんですけど、それが苦手で……。ラウンド中は自分の思うようにプレーしても良いですか?」
男たちは、それを全員一致で了承しました。
すると彼らは言葉の意味にすぐ気づきました。
彼女はゴルフがとても上手だったのです。
「こりゃ、アドバイスなんて誰もできないだろう」などと話しながらラウンドしていると、あっという間に18番ホールとなりました。
彼女はなんとここまで全てパー。
しかし最終ホールは3打目を寄せきれず、10メートルのパーパットを残してしまいます。
ここで、美女ゴルファーはこう言いました。
「皆さん、今日は本当にありがとうございました。誰もアドバイスを強制しなかったので、とても楽しくラウンドできました」
いえいえこちらこそ、と男たちはお礼を言います。
「でも、最後に一度だけアドバイスをもらえますか? 実はこのパットが入るとベスト更新なんです。でも私、昔から勝負弱くて……。今も緊張しちゃってラインが全然分からないんです。誰か代わりに読んでくれませんか? もし私がパーを取れたら、連絡先を教えます」
それを聞いた男たちは我先にと身をかがめて、穴が開くほどグリーンを見つめます。
すると1人目の男がこう言いました。
「カップ2個分右だね。強さはジャストタッチが良いと思うよ」
美女ゴルファーは、自分の思っていたラインと違ったので、次のアドバイスを待ちます。
2人目はこう言いました。
「スネークラインだから、むしろカップの左端狙いだよ。3メートルはオーバーさせるつもりで打たないと芝目に負けるかも」
1人目と真逆の意見を聞かされ、彼女の悩みはいよいよ深まります。
そんな彼女をよそに、3人目の男はボールを拾い上げてこう言いました。
「はい、オッケー」
シルバーキャディ
社会問題に関心を持っているトムはある日、自分が会員のゴルフ倶楽部が「シルバーキャディ割引」を始めたことに気付きました。
75歳以上の後期高齢者をキャディとして選ぶと料金が割引されるというシステムでした。
ゴルフ場の支配人は新システムについて、こう説明します。
「近所の老人ホームと提携して新たな取り組みを始めたんです。後期高齢者とは言え、当コースで採用している方はみんな足腰の強い方ばかり。18ホール走り回るくらい何の問題もありませんよ」
それを聞いたトムは、
(高齢者の雇用問題に貢献できるし、料金も安くなるなら試してみるか)
と思い、75歳のキャディとラウンドすることに決めました。
半日後、クラブハウスに戻ってきたトムに、支配人は感想を聞きます。
「シルバーキャディはいかがでしたか?」
「まあ」と口を開き、トムは続けました。
「良い人でしたよ。足腰もしっかりしてたし、一生懸命頑張ってくれました。でも目が悪かった。ティーショットはほとんど見失っていました」
支配人は謝罪しました。
「大変申し訳ございませんでした。来週またお越しください。きちんと見えるキャディーをご用意してお待ちいたします」
1週間後、トムは戻ってきました。
今回は80歳のキャディと1番ホールへ向かいます。
心配に思いながらの1打目は手応え十分。
しかし太陽と重なってしまい、トム自身はボールの行方を見失ってしまいました。
「ボール、見えましたか?」
トムの不安な気持ちは、シルバーキャディの返事で一気に消え去りました。
「安心してください。落ちた場所まで正確に見えましたよ」
キャディの後に続いて、トムは意気揚々とボールが飛んで行ったという方向へ歩いていきます。
しかし、いくらか歩いた後、トムは心配になり始めました。
キャディが少し迷っている風なのです。
「大丈夫ですか? ボールの行方は見えてたんですよね?」
「ええ、落ちた場所まで正確に見えましたよ。私、目だけは全く衰えていませんから」
自信満々のキャディは、こう続けました。
「ただ、物忘れが激しくてね」
親愛なるトミー
親愛なるトミー
これまであなたにこんな手紙を書いたことはありませんが、本当にあなたのアドバイスが必要なのです。
いきなりですが、私は妻が浮気をしているのではないかと疑っています。
ここ数か月、妻は携帯電話を手放さなくなりました。
机に置くときも裏返しだし、ロックもかけるようになりました。
そしてここのところ毎週のように「女友達」と出かけるのですが、名前を尋ねるといつも「職場の友達で、あなたは知らない人だから」とはぐらかしてきます。
帰りも深夜になることが多く、誰かに家まで送ってもらっているような声も聞こえてくるのです。
妻のことは信じているので本当はこんなことしたくなかったのですが、昨夜、彼女の帰りをガレージに潜んで待つことにしました。
すると1時頃、妻が誰かと一緒に帰ってくるではありませんか。
私は慌ててガレージの一番奥に置いてあったキャディバックの裏に隠れて様子をうかがいました。
クラブの隙間から2人をのぞいていた私は、ドライバーのシャフトに小さな亀裂があることに気付きました。
これは自分で修正できますか、または購入したショップに持ち込む必要がありますか?
心からの感謝を込めて。
名門ゴルフ倶楽部
綺麗に晴れた土曜日のこと。
私は、とある名門ゴルフ場の1番ホール、そのティーイングエリアにいて、いつものようにショット直前のルーティンに入っていました。
しかし、この名門ゴルフ場はルールやマナーにうるさいことで有名で、ショットしようとする私に向けてキャディマスターからスピーカーでしゃべりかけてくるではないですか。
「1番ホールのティーイングエリアにいる方。そちらはレディースティーなのでレギュラーティーまでお戻りください」
コース中の視線が私に集まるのを感じましたが、ルーティンに突入していた私は全てを無視してルーティンを続けます。
「繰り返します。レディースティーの男性、マナー向上にご協力ください。そちらはレディースティーになります」
集中が途切れそうになりながらもルーティンを続けていた私は、スピーカーのボリュームがさらに一段階大きくなったことを感じました。
「1番ホールの男性プレーヤー! 30ヤード後ろの白ティーから打ってください! 間違えてますよ!」
ついに耐え切れなくなった私は、ルーティンを途中でやめ、振り返ってこう叫びました。
「ちょっと静かにしてもらって良いですか!? 早くセカンドショットを打ちたいんですけど!!」
葬列
ギャンブル好きのウォーレンとケニーは、毎週のように賭けゴルフをしては勝った負けたと楽しんでいました。
この日は特に大勝負。
プレー代に上乗せで200ドルを賭けた戦いは18番ホールのグリーン上までもつれ込みます。
「このパットを入れれば、俺の勝ちだ!」
ウォーレンは最大限に集中力を高めてアドレスに入ります。
するとそのとき、18番ホールに沿って走る道路を葬儀の車列が通り過ぎました。
それを見たウォーレンはアドレスを解き、パターを置くと、帽子を脱いでおもむろに葬列に向かって頭を下げます。
相方のケニーは言いました。
「僕が今まで見た中で最も感動的なシーンだ。200ドルのパットを中断してまで……。君は素晴らしい男だよ」
ウォーレンは葬列を見送ると、遠い目をしてこう言いました。
「これくらい普通だよ。あいつとは25年も結婚していたからな」
何があったか知ってるのか!
ギャンブル好きのケニーは、妻のパメラともしょっちゅう賭けゴルフをしていました。
13番ホールのティーショットを左の林に曲げてしまった彼は、妻と一緒にボールを探します。
彼がボールを見つけたとき、それはとてもグリーン方向を狙えるような状況ではありませんでした。
「これは横に出すしかないか……」
安全に行こうとするケニーに向けて、妻のパメラは内心(トラブルになれ)と思い、狭い木の隙間からグリーンを狙うようアドバイスしました。
「さすがに無理だろう」とケニーは拒否します。
しかし妻も譲りません。
「この程度でビビってるようじゃ、大した男じゃないわね」
そこまで挑発されて黙っていられるケニーではありませんでした。
「見てろよ」とつぶやくと、ほとんど存在しない木の隙間を狙って、マン振りをしました。
すると不幸なことに、木で跳ね返ったボールが妻のパメラを直撃。
パメラは亡くなってしまったのです。
葬儀の1か月後、ケニーは賭け仲間のウォーレンに誘われて久しぶりにラウンドに行きました。
迎えた13番ホール。
ケニーはティーショットを左に曲げてしまい、ボールは奇しくもあの日と同じ場所に止まりました。
「ちょっと狭いけど、ここからグリーン狙えるんじゃないか」
ウォーレンは無責任に勧めてきます。
「まさか」
ケニーは言いました。
「君は、先月ここで何があったか知ってるのか!」
ウォーレンは、ハッと気づき謝りましたが、ケニーは怒りが収まらない様子でこう続けました。
「こんな狭いところを狙ったから、ダブルボギーになったんだよ!」
良い知らせと悪い知らせ
ジョージは敬虔なクリスチャンでした。
とにかく真面目で、趣味と言えばたまに行くゴルフくらい。
全ての時間を信仰のため、家族のため、仕事のために使ってきました。
定年を迎え、「これからはゴルフの時間も多く取れるだろう」などと考えていたある日、ジョージは軽いめまいを覚えました。
彼は妻と「我々ももう若くないからな」などと話していたとき、ふと
(死後の世界にもゴルフコースはあるのだろうか)
ということが気になりました。
答えが分かるなどと思ったわけではありませんが、ジョージは教会に向かいました。
ジョージはひざまずいて、「神よ、私の健康、妻の健康、そしてゴルフというゲームに感謝します。天国でもゴルフができることを願っています」と祈りを捧げました。
その祈りが終わるやいなや、ジョージの頭に不思議な声が届きました。
「ジョージよ、私が神だ。お前の信心に免じて疑問に答えよう。良いニュースと悪いニュースがあるが、どちらから聞きたいか?」
トムは心底驚きましたが、「まずは良い知らせをください」と答えました。
「良いニュースは、天国には何千ものチャンピオンシップコースがあるということだ。常に無料で、待たされることもない。ボールもいくらでも使えるぞ」
「それはすごい。完璧に望み通りです! でも悪い知らせは何ですか?」
神は「明日午前8時にティーオフ」と答えました。
世界は狭い
ミゲルとウェスリーはお気に入りのコースでゴルフをしていましたが、常に半ホール先にいる2人の女性のせいで思ったようなペースで進めずにいました。
彼女たちはあまりにスロープレーだったので、しびれを切らしたミゲルはある作戦を実行に移すことに決めました。
「ちょっと前に行ってくるよ。順番を入れ替えられるかどうか聞いてくる」
彼はフェアウェイを下り、女性たちの方へと歩いていきました。
しかし、途中で止まると、向きを変えて、ウェスリーの元に戻ってくるではないですか。
「無理だ」とミゲルは言いました。
「片方は俺の嫁で、もう片方は俺の愛人だ」
OK、とウェスリーは言いました。
「それなら僕が行こう」
ウェスリーは女性の元へと歩き出しましたが、途中で止まって戻ってきました。
「どうかしたか?」
尋ねるミゲルに、ウェスリーは「世界は狭いな」と答えました。
+20ヤードの新ドライバー
新しいドライバーが発売されるごとに「従来比+20ヤード!驚きの飛距離!」などと宣伝されるのはゴルフ界のお約束。
しかし、先週ドライバーを変えたジョン・スミスさんによると、今回はどうやら事情が違うらしい。
「そう、今回のドライバーは確かに+20ヤードの驚きの飛距離だったよ。こんなに投げやすいクラブは初めてだ」
直撃
ある女性のラウンド中の話です。
彼女の打ったボールが次のホールをプレーしている4人の男性の方に向かったので、彼女は慌てて前の組に駆け寄りました。
すると、1人の男性が地面にうずくまり、股間を手で押さえているではありませんか。
女性は男に駆け寄り、すぐに謝りました。
「本当にごめんなさい。こういうとき、どうしたら良いんでしょうか。良ければマッサージをさせてくれませんか?」
「いいえ、大丈夫です。いずれ痛みは引きますから」と男は答えます。
しかし、男は一向に手を股間から外しません。
「やっぱり可哀想なので、マッサージをさせてください」
そう言うと彼女は男のベルトを緩めて、ズボンの中に彼女の手を入れたのです。
彼女は数分間、男の股間に、それはそれは巧みなマッサージを施し、尋ねました。
「どうですか? どんな感じですか?」
「ああ、最高の気分だけど、親指はまだ死ぬほど痛いよ」
よみがえり
ある日、ゴルフ好きの色男が事故で死にました。
しかし彼は天国の入り口で神様にこう言われました。
「お前は本来まだ死ぬ予定ではなかった。申し訳ないので、もう一度元の世界に戻してやろう。ただし、お前はすでに死んでしまったので別の人間としてだ」
神様は続けます。
「どんな人物が良い?」
男はしばらく悩むと、レズビアンとして地球に戻りたいと伝えました。
神様は、彼のような色男がなぜそのような選択をするのか不思議だったので理由を尋ねると、男はこう答えました。
「簡単なことです。こうすれば、私はまだ女性を愛することができ、しかも赤いティーから打つことができます!」
ワシが若い頃
若者と老人がラウンドをしていた時の話。
2人とも実力は非常に高く、18ホール目を迎えたところで、ともにイーブンで回っていました。
飛距離に劣る老人が2打目をグリーンに乗せた後の若者のセカンド。
ティーショットを飛ばしすぎたため、目の前では高さ10mはあろうかという木が邪魔をしていて、非常にスタイミーです。
若者がどう打ったものかと熟考していると、老人が近寄ってきてこう言いました。
「ワシが若い頃は、この場所からよくこの木の上を軽々越えたもんだよ」
負けず嫌いな若者は、意地になって木越えを狙いましたが、残念ながら枝に飲み込まれ、ボールはポトリとその場に落ちました。
悔しがる若者を前に、老人はこう付け加えました。
「もちろんワシが若い頃には、この木は1メートルしかなかったけどのう」
好きなスポーツ調査
2年にわたる調査の後、全米リサーチ協会は、好きな球技に関する次の結果を発表しました。
失業者が好むスポーツはバスケットボールです。
アルバイト層が選択するスポーツはボウリングです。
ブルーカラーが好きなスポーツはサッカーです。
ホワイトカラーが選ぶスポーツは野球です。
中間管理職に最適なスポーツはテニスです。
役員層のほとんどは趣味がゴルフです。
結論:年収が高くなるほど、ボールは小さくなります。
男女同権
とある名門ゴルフ倶楽部では、改革が進んでいました。
「このままではゴルフ人口も減っていく。我々も臨機応変に、時代に合わせて対応することが名門コースとしての責務だ」
「我がコースでも女性のプレーを認めるべきでしょう。時代の流れは男女同権です」
理事会は話し合いを重ね、それまで認めてこなかった女性のプレーを承認することにしました。
その翌月、理事会は女性メンバーからとある手紙を受け取っていました。
手紙によると、多くの男性メンバーがコースのいたるところで立ちションをしているというのです。
「これは名門コースとして無視できない問題だ」
長い審議の末、理事会は次の決定を下しました。
「我がコースでは女性の立ちションを認めます。時代の流れは男女同権です」
教え魔
その日、キースはひどいゴルフを終えたばかりで、なかなかクラブハウスから動く気になれませんでした。
ロビーで座り込んでいた彼を警察官が見つけます。
警官はキースのところへ歩いて行くと「30分くらい前に16番ホールを回ってたんじゃないか?」と尋ねました。
「はい」とキース。
「そのティーショット、大チーピンでOBだったんじゃないのか?」
警官は尋ねます。
「はい、そうでした。でも、それがどうかしましたか?」
そう尋ねてきたキースに、警察は非常に厳しい表情で答えました。
「君のチーピンのティーショットが、走行中の車に直撃したんだ。5台を巻き込んで、3人が手術中だ」
言葉を失うキースに、警官は追い打ちをかけます。
「わざとじゃないとは言え、これは重大事故だ」
あまりの出来事にキースは茫然自失、ポツリとつぶやきます。
「どうすれば良いんだ……」
すると、隣にいたシングルハンデのおじさんがこう言いました。
「君はもっと腰を回した方が良いね」
たまには、こういうゆる~いネタも