正しいポスチャーというのは、提示するのがかなり難しい存在です。
- グリップのように何パターンかに分類をしたり
- ボール位置のように最下点から何個分といった数値化をしたり
することができないためです。
確かに、ポスチャーは人それぞれ千差万別ですもんね……
では、ゴルファーの数だけ無限に存在するポスチャーというものをどう考えていけばいいのでしょうか。
大事なのは、感覚論を可能な限り排除して「事実」だけを拾っていく、という作業です。
例えば、よく聞くと思いますが、
- 力を抜いて、リラックスして構えましょう
といったアドバイスは「感覚論」であり、本来望ましいものではありません。
どれくらいが力を抜いていて、どれくらいが力を入れているのかは人によりますもんね
そもそも力を抜くのが正解かどうかも分からないよ!
しかし巷のレッスンは、こんな感じの「感覚論」が主流です……。
これらを元に、アマチュアが勝手に解釈して練習や実践をすると、とんでもないゴルフスイングが完成してしまうのです。
うぅ……では、どうしたら良いのでしょう?
そんな悩める人に向けて、この記事では感覚に頼らないポスチャーの作り方を紹介していきます
自分の「感覚」を言葉にしているレッスン・サイト・動画はアテにしない
先ほども言いましたが、ポスチャーというのは無限に存在します。
- 頭の位置
- 前後左右の重心
- 膝の曲げ具合
- 足裏のプレッシャー
- 背中の反り具合
- 腕の角度
などなど、挙げればキリがないこれらの要素を掛け合わせた∞通り存在するわけです。
それだけに、よくある指導がその人の感覚を文字にしているだけというものです。例えば、
- 手は真っすぐ下ろしてください
- 母指球に体重を乗せてください
- 内ももに意識を置いてください
- お尻を突き出してください
- 膝を軽く曲げてください
- どっしり構えてください
- 体幹を感じてください
- ボールは上から見下ろしてください
といったものです。
これらは、別に間違っているということではなく、人によってとらえ方が違うので、そのまま言葉通りにあなたにも当てはまるかは分からない、ということです。
例えば、「手は真っすぐ下ろす」にしても、人によって全然違いますし、番手によっても全然違います。
キーガン・ブラッドリー(左)via https://www.youtube.com/watch?v=gL4ybPsk92I
ジャスティン・トーマス(中)via https://www.youtube.com/watch?v=rDDuYNSFXF8
ブライソン・デシャンボー(右)via https://www.youtube.com/watch?v=7DR3pFxkPVg
感覚的なアドバイスはまだまだあります。
「どっしり構える」というのはあからさまなので分かりやすいですが、例えば「母指球に体重」というのはどうでしょう。
一見、事実っぽく見えますが、これも結局人によって全然違う状態を指します。
現に私はかつて、「これが母指球重心だ!」と思い込んで、メチャメチャつま先重心の頃がありました
この事実を理解していないと、あなたのポスチャーは控えめに言ってメチャクチャになります。
まず「外側」を固める。感覚はそれから
「感覚」からポスチャーを考えても意味がないことを、ここまで説明してきました。
では、どうするのが正解なんでしょうか?
僕が推奨しているのは、「外側(ガワ)」から固めていく方法だよ!
外側、ですか?
ガワ(外側)というのは、ゴルフにおいては聞きなれない表現かもしれません。
(というか、私が勝手に提唱している考え方なので聞いたことがないと思います)
「ガワ」とはこの場合、画像や映像から客観的に判断できるものを指します。
例えば、次のようなものです。
- 頭の位置
- 手の位置
- お尻の位置
- 足の位置
- 膝の位置
- 前傾角
- 頭と手元の位置関係
- ふところのスペース
- ライ角
他にも色々ありますが、代表的なところで言うとこんな感じでしょうか
これらの「客観的に判断できる情報」つまり「外側」を徹底的に洗い出し、プロの平均に近づける(あるいは許容範囲にとどめる)ことが、ほとんどのアマチュアにとって最優先事項です。
(もし、スイングを「感覚」に落とし込みたいのなら、それはこの次のステップです)
具体的にどういうことかというと、こちらの画像をご覧ください。
ザンダー・シャウフェレ
via https://www.youtube.com/watch?v=Vl4yqL04HBE&feature=emb_title
これは私が独自で引いている補助線ですが、上で見た
- 頭の位置
- 手の位置
- お尻の位置
- 足の位置
- 膝の位置
- 前傾角
- 頭と手元の位置関係
- ふところのスペース
- ライ角
このあたりの情報が、客観的に分かるようになっています。
この分析を、(多ければ多いほどいいですが)少なくとも5人分くらいすることで、プロゴルファーのポスチャーが見えてきます。
そして、自分のポスチャーと比較して、違っているところを1つずつ治していくのです。
ちょっと面倒くさいですね……
その分効果はバツグンだから、騙されたと思って一度やってみてほしいな
ちなみにこの補助線は、その後のスイング分析にもそのまま役立ちます。
この記事では詳細まで立ち入りませんが、下のような、アドレス以後のシーケンス(各動作)にも当てはめることができます。
なるほど、こうして線を引いてしまえば、「腕がどこにある」「前傾角がどれくらい」というのが明確に分かりますね
感覚に頼って「膝はリラックス」なんて言われても、他と比べてどうなっているかが分かっていないと、評価できないよね
なお、補助線の優位性についてはこちらもどうぞ↓
ちなみに今回は後方視点の写真のみを見ていただきましたが、実際には正面視点からの分析も必要です。
ザンダー・シャウフェレ
via https://www.youtube.com/watch?v=5Gtdiil583Y
2方向からスイングを考えるのは、面倒ですが上達には必須の要素です!
- まず「外側」を固める
- 逆に「画像から判断がつかないもの」に頼ってはいけない
- 「感覚」はそれから
感覚というものは、基本的に上級者の領域と言えます。
初心者、初級者、中級者の「自分が気持ちいいアドレス・スイング」というのは、間違った感覚である可能性も高いです。
間違った感覚は一度捨て去ってください
まず「外側」を固める。
これが正しいポスチャーの考え方です。
では、具体的にどんなチェックポイントを見ていけば良いのでしょうか?
という方は、以下の記事が参考になると思います。
では。
はじめまして。
NKさんの事実を重視するお話が大変ためになります。
ありがとうございます。
質問させていただきたいのですが
補助線を引くソフトのことです。
自分も補助線を引けるソフトを色々探しているのですがこれというのに巡り合っていません。
スマホやタブレットでこの手のものは色々あるのですがWindowsで探すとあまりないようです。
最近Kinoveaというソフトの存在を知り結構使えるのではと期待はしています。
NKさんは補助線を引くソフトはどのようなものをお使いでしょうか?