いきなりですが、
ゴルフスイングを改善するために絶対必要なものは何か分かりますか?
うーん、手打ちじゃなくてボディーで打つ意識じゃないですか?
そうじゃなくて、練習量とか諦めない気持ちじゃないの?
それか、左腰のキレと右足の粘り?
まさかレッスンに通い続ける財力とか?
とまあ、いろんな人が色々言っているのがゴルフというスポーツですが、私は「自分のスイングを的確に分析できること」が、スイング改善のマスト事項だと考えています。
現に私はこの方法で「5年間悩み続けたアーリーリリース」を克服しました(参考記事)
この「分析→修正」という考え方はゴルフに限った話ではありません。
ビジネスの世界でも
- PDCAサイクルを回す
- トヨタ式カイゼン
といったように、「分析→修正」の考え方は、当たり前のように定着しています。
小難しい話でスミマセン!
では具体的に、「何をどうすれば」「どこをどう見れば」スイングを自分で分析できるようになるのでしょうか。
この方法をお伝えしようと思います。
3つのゴルフスイング分析方法
ゴルフスイングには、主に3つの分析方法があります。
- 任意のポイント分析法
- 7分割法
- P10分析法
ゴルフレッスン業界(?)は、あまりこのあたりの「分析」については研究が進んでいないので、用語自体は私が勝手につけたものです。
では、早速それぞれを見ていきましょう
任意のポイント分析法
結論から言うと、この分析法は「最もありがちで、最もやってはいけない方法」です。
任意のポイント?
要は「好き勝手に好きなポイントだけを分析していく」手法のことだね
PGAの公式動画に文句をつけるのも恐れ多いのですが、例えばこういうやつです。笑
ところどころ思いついたところだけ(本人的には大事なところだけ、のつもりと思われる)に線を引いたり矢印を引いたりして、それっぽくまとめてますね。
この方法はダメなんですか?
うん、ダメだね。笑
スイングというのは、アドレスからフィニッシュまで動作が連続することで成り立っています。
それを、都合よくところどころつまみ食いしても、正しい理解を得るのは難しいのです。
しかし、世の中の分析動画やレッスン動画、ゴルフ雑誌の「○○で飛ばす!」などのレッスン記事は、たいていこの「任意のポイント分析法」に基づいています。
なぜなら、この方法が一番楽でキャッチ―だからです。
- 分析する方も手間がかからない
- 勉強する側も1つか2つだけ気にすれば良いので分かりやすい
最悪なのが、シグネチャームーブだけを取り上げるようなレッスンです。
シグネチャームーブって何~?
その選手に特徴的に見られる動きのことだね
(用語集もどうぞ)
例えば、ダスティンジョンソンの左手のボウや
ガルシアのシャロー
などがそれに当たります。
このシグネチャームーブを紹介して、「これが飛ばしの秘訣です」とか「ショットメイカーに必須の動きです」とか、それっぽいことを言っていくわけですね。
シグネチャームーブは分かりやすい特徴なので、分析する側も「やった感」を出しやすいわけです。
本当はスイングの一連の流れがあって、その中で発生しているシグネチャームーブなわけですから、それ単体で切り取ることはあまり意味がありません。
スイングの流れや他との繋がりを考えず、やみくもに
- バックスイングの上げ方だけ
- ダウンスイングの下ろし方だけ
- フォロースルーの出し方だけ
を練習しても役に立たないのです。
なので、正しいスイング分析の正解は「非常に面倒くさいですが、アドレスからフィニッシュまで、すべてを分析してください」ということになります
特に、ハンドファーストで打てない方。
このタイプの人は、スイングをトータルで見直さないといけないので、「任意のポイント分析法」からは是非卒業してください。
7分割法
さて、アドレスからフィニッシュまで、スイングはトータルで分析しなくてはいけないことをお伝えしました。
その中で先人たちはスイングを分割して考える方法を身につけました。
そのひとつ目が、「7分割法」になります。
なんか難しそう……
大丈夫、これは普通の話だよ
早速、下の図をご覧ください。
あ、知ってる話だ。笑
そうなんです。
皆さん、当たり前に認識していることですよね。
しかし、この7項目をきちんと活用しているでしょうか。
私がハンドファーストを習得したときは、あらゆるプロゴルファーをこの「7分割法」で分析しました
具体的には、
- トッププロのスタンス幅は最小がこれくらいで、最大がこれくらい
- バックスイングのときのクラブヘッドの位置はこのあたり
- トップ時の体の回転の平均はこれくらい
- ダウンスイングのときに手はこのあたりに降りてくる
- インパクトの際の腰のターンは最低でもこれくらい必要
- フォローで頭の位置はどうなっているか
- フィニッシュで体はどの程度傾いているか
といったようなことです。
そうです、お気づきの通り、この方法は……
死ぬほどめんどくさいです。笑
しかし、7分割でスイングを考えることで確実にスイングは上達します。
ただし!
本当の本気で上達したいのならば、私は「P10分析」をお勧めします。
これ以上大変なのはイヤなんですが……
まあ安心しなさい
確かに本来は非常に面倒だけど、最後まで読んでもらえれば、解決法もお伝えできるから
P10分析法
これは読んで字のごとく、スイングを「P1からP10まで」10分割して考える方法です。
別に私が考えたわけではなく、一般的に……というほどではありませんが、それなりに広く使われている方法です。
ちなみにP10の「P」は「ポジション」のPです。
……いや、ポイントかも(自信ナシ)。笑
P1~P10は、それぞれ具体的にどのポジションを指しているんですか?
それぞれ下のような感じだよ
- P1:アドレス
- P2:シャフトが地面と平行
- P3:左腕が地面と平行
- P4:トップ
- P5:左腕が地面と平行
- P6:シャフトが地面と平行
- P7:インパクト
- P8:シャフトが地面と平行
- P9:左腕が地面と平行
- P10:フィニッシュ
一見、覚えにくいかもしれませんが、ポイントポイントは「7分割法」と同じで、それに「平行」というエッセンスを入れただけです。
これは、実際に画像で見た方が早いでしょう。
P1:アドレス
P2:シャフトが地面と平行
P3:左腕が地面と平行
P4:トップ
P5:左腕が地面と平行
P6:シャフトが地面と平行
P7:インパクト
P8:シャフトが地面と平行
P9:左腕が地面と平行
P10:フィニッシュ
アダム・スコット(ドライバー)
正面画像 via https://www.youtube.com/watch?v=jbB8LaUIq1c&t=72s
後方画像 via https://www.youtube.com/watch?v=yBSauavYNWU
と、このようにスイングを10個のポジションごとに分け、それぞれ「いつどのような形になっているか」を洗い出す(あるいは自分と比較してスイングの欠点を探す)という分析方法がP10分析になります。
例えば、こんな感じ↓
左は、私の昔のスイングです。
アダム・スコット選手とP3で比較しているわけですが、並べたことで違いが明確になります。
課題は色々ありますが、特に気になるのが次の2点です。
- 頭が(というか体ごと)突っ込みすぎている
- 手が体の正面から外れている(手をインに引きすぎ)
補助線を引くと分かりやすいです。
このようにスイングをプロと比べて、1つずつ治していくことで「正しいスイング」に一歩ずつ近づいていきます。
一気にプロのスイングを習得することは不可能ですが、課題を1つずつであれば治していけると思いませんか?
P10分析の優位性がお分かりいただけたでしょうか?
恐らく、ほとんどのアマチュアゴルファーはP1からP10まで満遍なく「欠点」を持っていると思います。
にもかかわらず「任意のポイント分析法」で適当に1か所だけ分析しても、それがスイング改善に役に立つかと言うと……
立つわけないね
そこまでハッキリ言わんでも。笑
ということで、本気で上達したい人は、スイングを10個のポジションに分けて考える「P10分析」を身に着ける必要があります。
スイング分析法まとめ
今回の話をまとめます。
- 任意のポイント分析法(×)
- 7分割法(△)
- P10分析法(〇)
「7分割法」と「P10分析法」の関係性を表にすると、次の通りです。
P10分析の良いところは、これまでなら「ダウンスイング」としか捉えられなかった部分を、より詳細に分析できる点です。
例えば「P6が間違っている」とか「P4からP5の繋ぎがおかしい」とか、厳密に認識できるようになるわけです。
ちなみに、一般に言われるスイング用語をプラスした「完全版の表」は以下の通り。
※人によって多少の見解の違いはあります
おお、(我ながら)ロジカルにまとまってますね
人によっては、ロジカルすぎて嫌かもね
きら~い
さあ、ここまでお読みいただいて「P10分析の必要性」はご理解いただけたと思います。
問題はここから。
ざっと考えられる問題は2つです。
- P1~P10それぞれのポジションでの正しい動きや形はどうやって知れば良いのか
- P10分析をするのはメンドくさい(プロゴルファーのスイングをわざわざキャプチャーするのが大変)
まず①に関してですが、これは私がなる早で記事を書きます。
「P1でこう構えて、P2のこの形にこうシフトしていく」というような、スイングの流れやルールが分かるような内容にする予定です。
書かなきゃ……
②に関しても、私がYOUTUBEなどから引用させてもらって、それをアップしていきたいと思います。
手間がかからないのはイイネ
ということで、スイング改善&ゴルフ上達に必要なスイング分析のお話をさせていただきました。
ぜひP10分析法を使って、ご自身のスイングを修正していってください。
全て正しいポジションに体を置くことができれば、晴れて「正しいスイング」の獲得となります。
この考え方は素晴らしいです。
ヒロ様
コメントありがとうございます!
残念ながら、日本のスイングのレッスンは多くが「感覚」で語られています。
しかし、本来キチンと撮影や分析をして、課題を1つ1つ直していけば、誰でも「プロに近い」スイングになると思います。
もちろんプロのような強烈なラグ(タメ)ができるか、誰でもパープレイできるようになるか、と言われると個人差はあります。
しかし、少ない練習量で効率よくスイングを「まとめる」にはこの考え方が最適だと思うのです。
良いブログですね、追加の記事を楽しみにしています。
昔ブログやっていたので、良い記事を書いて上げるのは大変な労力なのはよくよく存じ上げておりますが、日本語でこれだけ良い記事を書いているサイトは他に数える程しかないので大変期待しております。
ポジションの説明は
まだでしょうか?
ポジションの説明は
まだでしょうか?