ボールの位置とかスタンス幅って、今までなんとなくでやってきたけど、理想のアドレスなんてあるんですかね……?
ゴルフの基本とも言われるアドレス。
もちろんとても大事なものです。
しかし、ボールの位置やスタンスの広さなどは、ゴルフが上手な方も含めて、「始めたときからなんとなく……」ということが少なくないです。
しかし、全てのスイング動作の大元となるアドレスが「なんとなく」では、その後のスイングにこれだけの悪影響を及ぼす可能性があります。
- スイングプレーンが乱れて、スライスが起きる
- スイングが詰まってしまい、ダフリ・トップが起きる
- スムーズなボディターンができず、手打ちになってしまう
何も考えなくても打ててしまうプロや上級者は良いですが、ゴルフが思ったように上達しない人は、一度スタンスについて論理的に考えてみるのも良いでしょう。
この記事では、高い確率でナイスショットを打つための「ボール位置」と「スタンス幅」について考えます
ボール位置とスタンス幅【何センチか答えます】
いきなりですが、オススメの形を結論からお伝えします。
その後、細かく理由などをお伝えしていきます
- ボール位置は「センター」
- スタンス幅は「20センチ」
- ボール位置は「スイング最下点から1個半右」
- スタンス幅は「25センチ」
- ボール位置は「スイング最下点から半個右」
- スタンス幅は「30センチ」
- ボール位置は「スイング最下点前後」
- スタンス幅は「最大でも35センチ」
こんなにハッキリ言い切ってしまって、大丈夫なんですか?
もちろん大丈夫!
……というより、これを守るだけでアマチュアゴルファーの上位3割には入れると、割と本気で思ってるよ。笑
では、そう言い切れる根拠を次の章からシッカリ見ていきたいと思います。
スタンス幅は広い方が良い?狭い方が良い?
まず、「スタンス幅が何センチか」「ボールを位置をどうするか」の前に
そもそもスタンスは、広い方が良いのか、狭い方が良いのか
ということを整理しておきます。
それはやっぱり、広い方がどっしり安定して構えられるから、打球も安定するのでは?
……と、多くの人が思っているかもしれません。
もしくは、思っていなくても、実際のスタンスは広くなっている人が多いです。
この感じ……
まさか狭い方が良いんですか?
そうなんです。
ほとんどのアマチュアにとって、スタンスは狭い方が正解なんです。
スタンスが狭いと何が良いのか、理由は1つです。
ボディターンがしやすい
これに尽きます。
試しにその場に直立して、
- 足を思い切り開いて、体を左右にねじる
- 足を閉じて、体を左右にねじる
の2パターンの動きをやってみてください。
足を閉じているときの方が、圧倒的にターンしやすいはずです。
ボディターンスイングを目指すなら、ボディがターンしやすいスタンスで構えた方がお得じゃないですか?
このあたりのことは、下の記事に詳しく書いてあるので、
などは、是非読んでみてください。
「スタンスは狭め」「ボディターンで打つ」というポイントが共有できていれば、読まなくても大丈夫です
いよいよ本題に入っていきましょう。
正しいボール位置の決め方
ボール位置の考え方は、大きく分けて2パターンあります。
- 全ての番手でボール位置を変えない方法
- 番手に合わせてボール位置を変える方法
どちらを選んでも打てることは打てますし、シングルにもなれると思いますが、論理的に考えた場合の正解は存在します。
ど、どっちだろ……?
それはズバリ「番手に合わせてボール位置を変える」なんだ
理由は簡単で、クラブがそのように設計されているから、です。
画像を見てもらえれば分かりますが、クラブをプル角(右画像の黄色線が作る角度)の通りにセットすると、
- 長いクラブほどボールは左に
- 短いクラブほどボールは右に
なるように作られているのが分かると思います。
なので、この記事では「ボール位置を変える」ことを前提に話したいと思います
キーワードは最下点
よーし、じゃあまずはピッチングのときはセンターにボールを置いて……
ふむふむ
それより長いロングアイアンは、今よりボール1個分左に置いて……
ちょっと待てーぃ!!笑
このような考え方、あなたもしていませんか?
つまり、短いクラブを基準(センター)に、そこから左に動かしていくという方法です。
ち、違うんですか?
そもそも、なんでショートアイアンではセンターに置いているの?
う……、はじめにそう習ったから、です
そうなんです。
多くの場合、短いクラブでボールをセンターに置いているのは「なんとなく」。
なんとなくのままゴルフを続けている人が多いのではないでしょうか。
ボール位置について考えるとき、キーワードになるのは「スイングの最下点」です。
まず当たり前の確認ですが、ドライバー以外のクラブは、最下点より手前で打つ必要があります。
ボールが地面にある状態で打つためです。
タイガーウッズ
via https://www.youtube.com/watch?v=oGTKW_UbusM&t=50s
なので、ショットをする際の発想としては、「どれくらい最下点の手前で打つか」という考え方がベースになります。
そして、その最下点はどこに来るかというと、正しくスイングした場合、だいたい左腕(左脇~左肩)の下に収まります。
※「最下点は左足かかとの前」とよく言われますが、かかとの位置はスタンス幅などによって変わってしまうので、あくまで「左腕」を基準に考える方が良いです。
ローリーマキロイ(ショートアイアン)
via https://www.youtube.com/watch?v=ndAFjvjExZE&t=71s
ジャスティンローズ(ミドルアイアン)
via https://www.youtube.com/watch?v=esvEhCC9Crk
ダスティンジョンソン(ショートアイアン)
via https://www.youtube.com/watch?v=Fa2TwXOk5Pk&t=41s
ここまで確認すれば、情報は出そろいました。
【ボール位置を決めるために必要な情報】
- 長いクラブほどボールは左、短いほど右
- 最下点(左腕)よりは手前に置く
ここでもう一度、この画像ですが、
左から5W、4I、9Iです。
ボール位置を見ると、おおよそ1個分ずつくらいズレています。
なのでまず、5Wのとき、最下点の半個手前にボールを置いてみます。
すると、
という風に置くことができます。
ここまで来れば、短いクラブで「センター」に置く理由が判明します
ショートアイアンでは「最下点の2個半」右に置くと言いました。
ゴルフボールの直径は約4.3センチ。
2個半なら約10~11センチです。
アドレスをしたとき、左腕から体の中心まではだいたい10~15センチくらいなんだ
つまり最下点から2個半右に入れると……
あ! だいたいセンターに来る!
ローリーマキロイ(ショートアイアン)
最下点とボールとの距離は、推定10センチ強
なるほど。センターに置くのが正しいんじゃなくて、最下点から2個半右に置いたら、結果的にセンター付近に置かれるというのが正しいんですね
実際のプレーでは「センターに置く」と思ってても同じだから、普通はここまで考えないよね。笑
【おまけ】
この「センター」という言葉も結構あいまいで、
- ボールをセンターに置く場合と
- クラブをセンターに置く場合で
軽く5センチくらいはズレてしまいます
このときのマキロイ選手はクラブをセンターに置いていますね
基本はこのマキロイ選手のような「クラブがセンター」「ボールは少し左」というのがいわゆるセンターだと思っていいよ
ボールをセンターに置くと、クラブは右側に来ちゃいますもんね
正しいセットアップ【ショートアイアン編】
ここまで来れば、正しいセットアップは理解できたも同然です。
最後に、あらためて番手ごとに「ボール位置」と「スタンス幅」を見ていきましょう。
- ボール位置は「センター」
- スタンス幅は「20センチ」
ボール位置は「センター」です。
より正確には最下点の2個半(10センチ)右側、ですね!
そして、スタンス幅は「20センチ」です。
この「20センチ」という数字はどこから来たんですか?
この数字は「スクエアに構えてフルショットできる一番狭いスタンス幅」なんだ
成人男性であれば、靴の横幅は大体10センチちょっとくらいです。
つまり、靴2足分のスペースがあれば、ショットはできる計算になります。
試しに見てみましょう。
左:ローリーマキロイ(ショートアイアン)
via https://www.youtube.com/watch?v=ndAFjvjExZE&t=71s
中:ジャスティンローズ(ショートアイアン)
via https://www.youtube.com/watch?v=7CLKTm0HfNM
右:タイガーウッズ(ショートアイアン)
via https://www.youtube.com/watch?v=zobDSGM7Fag
マキロイが20センチちょい、ローズが約25センチ、タイガーが約20センチといった感じでしょうか。
これくらいのスタンス幅があれば十分にショットはできるということです。
それどころか、スリークォーターショットの場合は、もっと狭くても問題ないんです
左:タイガーウッズ(ウェッジ)
via https://www.youtube.com/watch?v=NSEfbgRheEA
右:ローリーマキロイ(ピッチングウェッジ)
via https://www.youtube.com/watch?v=ks3YIqFKvuo
推定10~15センチくらいのスタンス幅です。
動画を見てもらえれば分かりますが、両方とも30ヤード程度の寄せではなく、特にマキロイの方は100ヤード前後打っているショットです。
それでもこのスタンス幅で良いのです。
それほどボディターンが大事ということですね
正しいセットアップ【ロングアイアン編】
- ボール位置は「スイング最下点から1個半右」
- スタンス幅は「25センチ」
ショートアイアンが決まれば、あとは簡単だよ
少しずつ「ボールは左に」「スタンスは広く」していけば良いんですね?
その通り!
一応「クラブに合わせてスタンスを広くする」理由も考えておこうか
理由として挙げられるのは、以下の内容です。
長いクラブに合わせてスタンスを広げると、
一貫性が取れてスイングイメージが湧きやすいため
なんか、少し漠然としてますね
「スイングアークを大きくする」とか「飛距離をアップする」みたいな具体的な理由じゃないんですか?
実は、それらは本質的な理由ではありません。
そのあたりについては、別記事に詳しくまとめてあるので、興味があればご覧ください。
とにかく大事なのは、クラブが長くなるにしたがって、スタンスも少しずつ広くしていった方が振りやすい、ということです
「少しずつ」というのがポイントですね
確かに、ショートアイアンとロングアイアンで、たったの5センチしか変わってないですもんね
5センチと言うと、手の小指よりも短いくらいだね
正しいセットアップ【ウッド(ユーティリティ)編】
- ボール位置は「スイング最下点から半個右」
- スタンス幅は「30センチ」
ウッド系の場合は、ロングアイアンより、さらに「ボールは左」「スタンスは広く」するだけです。
広げたとはいえ「スタンス30センチ」って結構狭くないですか?
目の前に両手で幅を作って見ると、ちょっと心配に……
安心して
ほら、タイガーも5Wでこの通り
タイガーウッズ(5W)
via https://www.youtube.com/watch?v=ciQoRQ24L8Q
これでちょうど30センチくらいです。
これより広いスタンスで構えて良いのは、体のターンに心配がない人になります。
正しいセットアップ【ドライバー編】
- ボール位置は「スイング最下点前後」
- スタンス幅は「最大でも35センチ」
ドライバーは、他のクラブと違う気がするんですが、どう考えたらいいですか?
確かに、ドライバーはティーアップされているため、他のクラブとは少し違った特徴を持っています。
以下のように、
- 最下点より先でアッパーブローに捉える
- 最下点より手前でダウンブローに捉える
最下点の手前か奥か、どちらで打つかを選択することができます。
そしてこれらはメリットデメリットがあり、一概にどちらが良いとは言えません(どっちのトッププロもいます)。
なのでオススメは、まず最下点で打ってみることです。
ティーの高さやドライバーの打ち方で悩んでいる方は、このあたりの記事がオススメです
ドライバーが他と少し違うクラブだからと言って、これまでと大きく変えてはいけません。
おおまかなの発想としては全てのクラブで同じです。
飛ばそうと思ってスタンスを広くしすぎてしまうと、スウェーが発生してボディターンが不十分になってしまうので注意してください。
やりがちなミス|右過ぎ、左過ぎに注意
ボール位置が右すぎる
これは「全部の番手で同じように打ってやろう」と思って、ボールの位置をあまり変えずに、スタンスだけ広くなっていった場合に発生します
こちら管理人の昔の画像です(7番アイアン)。
一見普通のアドレスに見えますが、次のミスを犯しています。
この例では7番だったので致命傷ではないですが、5番アイアンやユーティリティでこれをやると、かなりの確率でダフリます。
これは、多くのアマチュアがやりがちなので、ぜひ一度ご確認ください(特にロングアイアンが苦手な方)。
ボール位置が左すぎる
これは「ボールは左かかとの前で固定」と思い込んでいる人に起きがちです
ボールを左かかと前(赤丸)に置くとき、スタンスが広すぎるとボール位置も左すぎるという状況が起きます。
右過ぎのパターンと比べると数は少ないですが、稀にいます。
ボール位置はあくまで最下点を基準に考えることをオススメします。
前後のボール位置の決め方(どれくらい離れて立つべき?)
さて、「ボール位置」を決めるときに忘れてはいけないのが、ボールとの前後の距離。
つまり、どれだけボールから離れて立つか、という問題です。
……なんですが、実はこれ、
- ふところに、こぶし2個分のスペースがある
- シャフトがベルト付近を指している
この2点が守られていれば、基本的にボールとの距離に関しては問題ナシなんです。
タイガーウッズ(ドライバー)
via https://www.youtube.com/watch?v=5_reNP7Zkew
え、とっても簡単ですね
このあたりに関して、もう少し詳しく知りたい場合は別記事を用意しています。
ただし、ボールとの前後の距離は、ある程度「勝手に決まる」ものです。
深く考えすぎずスッと立てばいいですし、前後のボール位置よりも今回の記事である左右の位置をまず習得したいところです。
と言いながら、私は前後の位置でとんでもなく距離感が狂っていた時期があるので、全くおろそかにはできないのですが……
さて、ということで、高い確率でナイスショットを打つための「ボール位置」と「スタンス幅」の具体例について見てきました。
こういった基本的なことは、簡単なようで奥が深いので、ぜひこの記事を参考に一度見直していただければと思います。
よければ、他の記事もどうぞ!