うーん、結局ドライバーはアッパーで打つのかダウンで打つのか、どっちなんだろう?
今回の記事は、そんなお悩みをガツっと解決していきたいと思います!
この、通称「ドライバー問題」は結構悩みが深く、
ティーアップしているんだから、当然アッパーに打つべきだ!
いや、トラックマンのデータでは、プロはむしろダウンブローが主流だ!
という二大勢力に分かれています。
この問題について、これからしっかり見ていくわけですが、先に結論だけお伝えしておきます。
結論は……
そんなの、どっちでも良いに決まってるじゃない
です。笑
プロでも、アッパー・ダウンの両方が存在しています。
- アッパーにはアッパーのメリット・デメリットが
- ダウンにはダウンのメリット・デメリットが
あるわけですから、自分で考えて好きな方を選んでください、ということでしかありません。
あら、そんな簡単なことだったのね
ちなみに、この問いが語られるときになぜかスルーされることの多い「レベルスイング」という存在もあります。
そのへん、まとめて解説していきます!
ちなみに私は「レベル派」です
そもそもトラックマンのデータは絶対的に正しいのか
先ほども見ましたが、ゴルフ界には
トラックマンのデータによると、プロはダウンブローが主流だ!
と主張する人がいます。
その主張の根拠となっているデータがこちらです。
via https://blog.trackmangolf.jp/pga-tour-averages-stats/
PGA(全米プロゴルフ協会)ツアーの選手平均で、ドライバーの入射角が「-1.3°」というデータです。
え、こんなのがあるんだったら、絶対ダウンブローが正しいじゃん!
……と勘違いするレッスンプロや上級者を多発させた悪名高いデータです。笑
当サイトも基本的には「データや統計でスイングを作っていこう」という理念に基づいています。
じゃあ、トラックマンが言ってることは信じた方が良いんじゃないの?
もちろんトラックマンの計測精度を疑ってるわけじゃないよ!
でも「計測精度以外」に懸念点が残っていると言えるんだ
具体的には、以下の3点に注意すべきだと個人的に思います。
- データ取得日
- データのサンプル数
- 人間側のゆらぎ
ひとつずつ見ていきましょう。
「データの取得日」に注意すべき
日進月歩でスイングメカニクス、スイング理論が証明、提唱、実践、(消滅、)している今日この頃、データの鮮度というのはやはり大事です。
もちろん古いデータは参考にならないのかというと、もちろんそんなことはありません。
- 20年前のタイガーウッズのスイングも
- 50年前のジャックニクラウスのスイングも
- 70年前のベンホーガンのスイングも
研究に足るどころか、今なお十分一線級のスイングです
しかし、やはり新しいものをしっかり把握しておくのに越したことはありません。
この表が投稿された日ですが、
2014年6月6日となってます。
5年以上前のデータだと認識した上で見る必要があるということです。
うーん、スイング理論はどんどん新しくなってるって言うし、微妙に古いかもなぁ
例えば、現にトラックマンのルークドナルドの記事ですが、こうあります。
In the past Luke tended to have a negative attack angle on his driver, that has now changed to a positive angle to optimise his distance.
https://blog.trackmangolf.com/luke-donald-trackman/
(訳:かつてルークはドライバーにおいてダウンブローに打つ傾向がありましたが、今は飛距離を最適化するためにアッパーブローに変えています)
「ルーク・ドナルドはダウンブローだった時の方が結果出てるじゃないか!」というツッコミは禁物です。笑
ここで言いたいのは、時期によってスイングは変わりえる、ということです。
また、最近は特にPGAのトッププロもドライバーをアッパーで打つ傾向が強いように思っているのですが(※明確なデータに基づいているわけではないので注意)、これは最近のコースの長距離化を受けての対応策なのかもしれません。
オーガスタも年々距離が拡張されていきますね
「データのサンプル数」に注意すべき
懸念点の2つ目は「サンプル数」です。
この表には「the data is based on a large sample size(=このデータは多くのサンプルに基づいています)」とありますが、具体的な数については言及されていません。
そういう意味では、語弊を恐れずに言えば、ある種「勝手に言ってるだけ」と言えなくもありません。
トラックマンが5人を「large」と思っていれば、そう言えてしまいます(そんなことはないと思いますが)
ちなみにトラックマンのサイトには、個人名ありで公開されている選手データが20人分以上あります。
そういう意味では、個人名も母数もわからない2014年の表よりは、個人名が判明している20人分の平均というのは、いくらか信頼度(というか安心感)があります。
もちろんサンプル数としては全然足りていないわけですが、「名前の分かるトッププロ20人分のデータ」ということが分かっていれば、それに応じた「見方」ができるからです。
そのデータをまとめたものが、下記記事になります。
そして、この記事を見ていただければ分かりますが(膨大なので見なくても良いですが)、ドライバーの平均入射角はむしろ「アッパー」なのです。
繰り返しになりますが、20人そこそこのデータなのでサンプル数に疑問はあります。
しかし、ここで最も大切なのは「アッパーとダウン、どちらも存在している」という事実です。
どちらが多数派なのかは少なくとも「はっきりはしない(今や多分アッパーだが)」というのが実情なのです。
「人間側のゆらぎ」に注意すべき
そして、懸念点はまだあります。
トラックマンは完璧だったとしても、人間は完璧ではないということです
- 試合で打ったのか、レンジで打ったのか
- 飛ばそうと思って打ったのか、コントロールしようと思って打ったのか
- ドローボールを打とうとしたのか、フェードボールを打とうとしたのか
様々な条件によってスイングデータは全く変わってくるでしょう。
もっと言うと、同じ条件で同じように打とうとしているのに、たまたまいつもより「アッパーに入った、ダウンに入った」ということも十二分にあるでしょう。
プロなんだから、毎回寸分の狂いなく打てる……
わけないか
例えば、マキロイのドライバーの入射角に関して。
一方で、2016年は+2.5°となっています。
出典はトラックマン公式データ。
同じ人物(トッププロ)でも、1年やそこらのうちに、これだけのゆらぎがあるのです。
完全にスイングを変えている可能性もありますが、いずれにせよデータを盲信するのは危険だということに違いはありません。
つまるところ「冒頭の2014年のデータを鵜呑みにしてはいけない」ということです!
【アッパーorダウン】プロのドライバーの軌道の確認方法
個別の選手がどうかということに関しては、基本的にはトラックマンのデータを見れば良いわけです。
が、問題はトラックマンでデータが公開されていない選手の場合です。
……これは、YouTubeに上がっているウルトラスローなどで目視するしかないです。笑
実際、これである程度は分かるわけですが、残念ながら「プロの平均」を算出するのは事実上不可能です。
自分の好きなプロやスイングを確認して、
- 「なるほど、実はアッパー(ダウン)で打ってたのか」
- 「普段の自分とは逆だけどこれでも良いのか」
ということを認識できればOKです。
そもそも自分が本当に思っている通り(アッパーorダウンで)打てているか、も要確認ですが
アマチュアには思い込みが激しい人もいます(これは昔の私もそうだったので要注意です)。
- ドライバーはアッパーに決まってる
- データ上ダウンブローなんだから、自分もダウンに打つべきだ
などという考え方です。
しかし、実際はもっと柔軟に考えるべきです。
バッバワトソン
角度が何度かまでは分かりませんが、アッパーに捉えているだろうことが想像できます。
ローリーマキロイ(2013年)
データ上はダウンブロー?と思われる時期ですが、こうして見るとほぼレベルに見えます。
このように、YouTube上で地道にコマ送りして見るしかありません
ちなみにパソコンを使えば、YouTubeはキーボードの「<」ボタンと「>」ボタンでコマ戻し、コマ送りができます。知らない方いれば是非。
この動画など、インパクトの瞬間が非常に分かりやすいのでコマ送りには最適です
で、結局アマチュアはアッパーブローとダウンブローどっちが良いの?
話はここに戻ってきます。結局気になるのはここです。
個人的には「どっちでも良い」と思っているわけですが、過剰なアッパーや過剰なダウンというのは、あまりオススメできません。
何かを(安定性や飛距離を)犠牲にしてしまう可能性が高いからです
そういう意味では、
- 多少のアッパー
- できるだけレベルに
- 多少のダウン
の3種類の中から選択するのが良いと思いますが、まず一番重視すべきは「真っすぐ打てるかどうか」です。笑
何を当たり前のことを……
と思うかもしれませんが、「ドライバーはこうあるべし」と思い込んでいると、意外とこれがおろそかになったりします。
現に私の場合は、
すべての番手で同じように打つのが良い
と思い込んで、ものすごくセンターにボールを入れていた時期や、
ハイティーアップで体のチルト(傾き)を強めて、飛距離を狙うぜ!
などと無茶していた時期など、色々と迷走してきました。
確かに、なぜか色々やっちゃうんだよね
しかし結局どの打法でも安定せず、悲しくも、なるべくドライバーを使わないようにラウンドしていたわけです。
悲しすぎる……
ちなみに、私の場合は「最下点に置く」ことでダウンブローに振っていき、結果「できるだけレベルに」捉えるというイメージで打つことで、ティーショットが格段に安定しました。
もっともこれは私のケースです。
「多少アッパー」や「多少ダウン」で安定するなら、それがあなたにとってベストだと思います。
その上で、
- さらなる飛距離をとるなら「よりアッパー寄り」に
- さらなる安定感をとるなら「よりダウン寄り」に
微調整していくというのが、あなたに合ったドライバーのボール位置、スイング軌道ということになると思います。
参考までに、女子プロ(LPGA)の2014年の平均データも載せておきます
女子プロは男子と違い、ドライバーはかなりアッパーに捉えています。
via https://blog.trackmangolf.jp/pga-tour-averages-stats/
一般に言われるのは、
ドライバーのスイングスピードが40後半行かないようであれば飛距離を稼ぐためにアッパーで打った方が良い
40後半以上あるようであればコントロールするためにダウンで捉えた方が良い(捉えても良い)
というようなことですが、何度でも言いますが、これはあくまで「個人の感想」であり「机上の理論」です。
この原則らしきものを信じるよりも
- 自分が気持ちよく、違和感なく振っていけるか
- そしてその結果、狙った球筋で狙ったところに打てるか
ということの方が100倍大切です。
まず最下点において「できるだけレベルに」というところから始めてみてください
そこから少しずつアッパー寄り、ダウン寄りに動かして、自分の感触を確かめていくのが良いでしょう。
おまけ情報ですが、トラックマンの『平均男性アマチュアゴルファーのパフォーマンス』によると、アマチュアのドライバーは平均-1.6°の入射角となっています。
これは「効率的とは程遠い」という評価されています。
トラックマンは、やっぱりスイングスピードがそこまで無い人にはアッパーを勧めているんだね
でも、繰り返しだけど、「自分が打ちやすい」という方が100倍大事だよ!
トラックマンのデータだからと言って、盲信は厳禁なのです!
しかも、別のページ『WHAT IS ATTACK ANGLE?』だと、男性アマの平均はせいぜい-1.1°くらいとなっており、このあたりもトラックマンが出しているデータをいまいち信用できない一因です……。