さて、今回はスタンスの幅について考えていこう!
スタンスは肩幅だって教えてもらったけど、違うの?
確かに「肩幅」というのは表現として分かりやすいから、そうやって教わった人が多いよね。でも……
アドレスはゴルフの基本とも言われるほど大切です。
しかし、よく聞く「肩幅に合わせる」って何でしょうか?
肩の幅と足の幅を合わせるということなんでしょうが、どうしても疑問が残ります。
- 肩の外側に合わせるのか、内側に合わせるのか、あいまい
- 足の外側を合わせるのか、内側を合わせるのか、あいまい
ここが曖昧なままなんとなくアドレスをした場合、同じ「肩幅」でも20~40センチくらいの幅が生まれてしまいます。
変わりすぎ~
目の前でイメージしてもらえば分かりますが、20センチというのはかなり狭いです。
一方で、40センチというのは相当広い。
ということでこの記事では、ずばり「広いスタンス幅と狭いスタンス幅」のどちらが良いのかを考えます
スタンス幅は広い方が良い?狭い方が良い?
スタンスは広い方が良いのか、狭い方が良いのか
という疑問に対して、プロも含めた100%全員が「こっちが良い」という答えは残念ながらありません。
スタンスが広いプロも狭いプロもいます
しかし、多くのアマチュアにあてはまるオススメの答えはあります。
それは、
スタンス幅は狭い方が良い
ということです。
その事実を確認していきましょう。
スイングで一番大切なのは「ターンすること」
ハンドファーストと言われる正しいインパクトでボールを打つために、最も必要なことは「体をターンさせること」です。
しかし、残念ながら多くのアマチュアは体を上手く使えず、体を止めながら打ってしまいます。
これが、レッスンプロなどがよく言う「手打ち」というミスです。
自分では体をしっかり動かして打ってるつもりなんだけど、「手打ち」だねってよく言われるよ
そうだね、手打ちというのは曖昧な表現だから、指摘する側も言語化できていないことが多いんだ
例えば、管理人の昔のスイングを見てみたいと思います。
これはインパクトの瞬間の画像ですが、腰がターンできておらず、右足しか見えていません。これが手打ちの正体(のひとつ)です。
via https://www.youtube.com/watch?v=i7g53q8XMb4
一方でこちらはタイガーウッズのインパクトの瞬間です。
左足もしっかりと見えていて、体がターンできている様子が分かります。
プロゴルファーとアマチュアの大きな違いは
体がきちんとターンできているかどうか
この事実が分かれば、スタンス幅については一目瞭然です。
是非試してほしいのですが、
- 思いきり足を開いて腰を回すのと、
- 足を閉じて腰を回すのでは、
足を閉じた方がスムーズに回るはずです。
直感でも分かると思いますが、一応理由を言うと、足を開く場合は適切な膝の動きも必要になるためです
なので、アマチュアに関してはスタンス幅は狭い方がスイングが簡単になります。
- アベレージゴルファーは「狭いスタンス」が正解
- そしてきちんと体をターンさせること
もしかしたら、感覚の違いで足を開いても閉じても「ターンのしやすさは同じ」という人もいるかもしれません。
その場合でも、実際のスイングではフィニッシュで体重を左足に乗せることになりますから、スタンスは狭い方がスイングは簡単になります。
スタンスが広い場合は、難しいターンをしつつ、インパクト後はスウェーしないように重心を長い距離移動させなくてはいけません
スタンス幅にまつわる3つの疑問【よくある質問】
なるほど、ボディターンが苦手なアマチュアには狭いスタンスが合ってるんだね
そう、それが分かれば、色んな疑問もひとりでに解けていくよ!
理想のスタンス幅は身長によって変わる?
ぼく、平均より身長高いんですけど、スタンス幅って本当に狭くて良いんですか?
(高身長、いいなぁ……)
確かに、身長によってスタンス幅もかなり変わるようなイメージがあるよね
でも実はコレ、そんなに気にしなくても大丈夫なんだ
例えば日本人男性であれば、90%以上の人が160-180センチの間に入っていると言われます。
160センチと180センチは、身長としてはかなり違う印象を受けますが、割合で見るとそこまで変わりません。
180 × 89% ≒ 160
その差、約1割。
仮にアイアンで25センチのスタンス幅で構えるとします。
このとき「1割」というのはたったの2.5センチです。
そもそもあなたは、毎回必ず2~3センチの誤差もなく構えているでしょうか?
なるほど、気にしすぎも良くなさそうですね
もちろん、全く同じなワケじゃないから微調整は推奨だよ
でも、同じ番手で同じように打つ場合、人によって5センチも10センチも変わることはないと思って良いよ
もちろん、人によっては思いっきりスタンスを広くして打つプロもいます。
こうした選手は(プロなので当たり前ですが)体のターンには全く問題が無く、別の意図を持ってスタンスを広くしています。
なので、アマチュアはあまり参考にしない方が良いでしょう。
- 身長によってそこまで変える必要はない
- 変える場合も、数センチの微調整でOK
スタンスを狭めればダフリはなくなる?
NKさん、NKさん!
ボク気付いちゃったんですけど、スタンスを狭くするのって、ダフリをなくす効果があるんじゃないですか?
お、どうしてそう思ったんだい?
だって、スタンス幅を広げると、姿勢が低くなるから、手が地面に近づいてダフリやすくなりそうじゃないですか?
この考え方、もしあなたが今までスタンス幅を過剰に広く構えていたなら、正しい場合もあります。
広すぎるスタンスは、次のようなエラーを引き起こします。
- まずボディターンが上手くいかない
- ボディターンが上手くいかないと、スイング中に腕の行き場がなくなる(スタンスが広く、腕の位置が低いため)
- そしてそのままダフる
これを嫌がって、体を伸び上がらせる人もいます。
これをアーリーエクステンションと言います。
上の動画は、管理人が重度のアーリーエクステンションだった頃の動画です。
トップからインパクトにかけて「うにょ~ん」と伸び上がっているのが分かります。
そして、足もとを見てみると……
結構スタンス広いですね!笑
そうだね、40センチ以上はありそうだ……
ということで、「スタンスを狭めればダフリが減る」というのは、当てはまる人がいるのは事実です。
しかし、やみくもに狭くすれば良い……というわけではありません!
- あくまで、ほどよく狭いスタンス幅にする
- その上でしっかりとボディターンをする
この2つのポイントを守ることがキモです。
ダフリがなくなるというのは、あくまでこの2つを守った結果にすぎません
- スタンスを狭めるとダフリが減ることはある
- ただし、それは「スタンスを狭めたから」というよりは「正しく打てるようになったから」である
スタンスを広げれば飛距離はアップする?
スタンス幅にまつわる、よくあるアドバイスに
スタンスを広げると飛距離がアップする (…?)
というものもあります。
これについて考えます。
結論から言えば、
- 正しく打てるならスタンスは広い方が飛ぶ
- ただし、広いスタンスで正しく打つのはかなり難しい
- なので結局、ほどよく狭いスタンスの方が確実&飛ぶ
ということなります。
例えば、体重移動をある程度した方が良いスポーツでは、スタンスは広くなる傾向にあります。
野球ではピッチャーの速球を打ち返すパワーが要りますし、サッカーも自分の体重をフルに乗せて力強いシュートを打たなければいけません。
その意味では、ゴルフでも思い切りスタンスを広げて、全体重をぶつけていく打ち方が、最も飛距離が出るのは間違いありません。
ただし、これには条件が付きます。
正しく打てるなら、ですよね?
そう、そしてその条件が「とんでもなく難しい」のがゴルフなんです(一般アマにとって)
この記事でも何度もお伝えしていますが、ゴルフスイングに必要な動作はボディターンです。
そして、そのターンはスタンスが狭い方が簡単……言い換えると、スタンスが広がると難しくなるのです。
さらに、
- 3割打てれば一流の野球
- プロでもシュートをふかしてしまうサッカー
と違い、ゴルフは100%の確率でクリーンに捉える必要があります。
そう考えると、ゴルフにおいては大げさな体重移動はしない方が良いです。
なるべくその場でターンするスイングの方が、結果的に飛距離も高いレベルで安定します。
それに、ゴルフでは自分の筋力以外にも次の2つの力を使えるので、大げさな体重移動は不要なんです
- 位置エネルギー
- レバレッジ
それぞれ簡単に見ていきます。
これだけの高さからアレだけ重いものを落とすわけですから、自然とパワーは発生します。
ラグ・タメと呼ばれるもので、自分の手の動きより、はるかに速くヘッドが動きます。
レバレッジ自体はゴルフ特有の働きではありませんが、シャフトの長さと相まって、膨大なエネルギーを生みます。
この2つの力があるから、無理にスタンスを広くして体重移動を使う必要はないわけですね!
何度でも言うけど、本当に大事なのは下の2つだよ
- ほどよく狭いスタンス幅にする
- その上でしっかりとボディターンをする
- スタンスを広げると、上手くいけば飛距離は伸びる
- ただしアマチュアは上手く打てないことが多いし、確実性は下がるのでオススメしない
それぞれのスタンス幅のメリット&デメリットまとめ
ここまで広いスタンス幅と狭いスタンス幅について、色々と考えてきました。
覚えきれないからまとめて~
という要望にお応えして、メリット・デメリットを下の表にまとめましたので、ご覧ください。
メリット | デメリット | |
広いスタンス | 上手く打てれば一発の飛距離が出る | ①ターンしにくい ②うまく打てないとダフリトップが出やすい |
狭いスタンス | ①ボディターンしやすい ②ミスが減る ③安定して飛距離が出る | なし |
にゃんと!
これだったら絶対に狭い方がいいね
しかし、多くのアマチュアは今なお「広めのスタンス幅」で構えているのです。
これがなぜかと考えると、2つの理由に思い至ります。
【多くの人が広めのスタンスで構えてしまう理由】
- その方が「安定」すると感じてしまうから
- 他のスポーツは、それが正解だから
① その方が「安定」すると感じてしまうから
これは当たり前と言えば当たり前で、足の間隔は広い方がどっしりします。
しかし、ゴルフスイングで必要なのは安定感ではなく、ターニングの動きです。
どっしり感のあるスイングは、逆に安定しません
② 他のスポーツは、それが正解だから
記事の途中で野球とサッカーの話をしましたが、他も含めて多くのスポーツでは、
- スタンスを広くして
- 重心を落とす
ことを求められるケースが圧倒的に多いです。
確かによく聞きますね
そのため、
スポーツができる人ほど、
スタンスを広くして構えてしまうことになるのです。
反対に、運動神経はあまり良くなさそうなのに棒立ちに近いスタンスで意外と上手く打つ人は、このパターンの逆だと考えられます(たまにいますね)。
なので、勇気をもってスタンスを狭めることが大切です
ちなみに、スタンスを狭くしても重心は低いままにしてください。
ここで重心まで高くしてしまうと、本当にただの棒立ちになってしまいます。
具体的に何センチでスタンスすれば良いの?
この疑問に関しては、長くなってしまうので別記事を書きました。
各番手ごとの具体的なスタンス幅まで詳細に紹介しているのでオススメです!
今回は以上。
また別のレッスンでお会いしましょう!