ゴルフスイングにおいて、圧倒的に「してはいけないもの」があります。
スウェー(≒体重移動、重心移動)です。
これに関しての検証は以下のページでしています。
この記事では、動画や画像から「重心位置を見つける方法」について見ていきます。
「体は動かすが、重心は変えない」ことが正しいスイングへの第1歩です。
そのためには「重心位置をしっかり理解する」ことが必要なのです。
正しい方法は「頭」と「腰の中心」を繋ぐこと
まずは、プロとアマのスイングを比べてみましょう。
- アドレス
- トップ
- インパクト
- フォロー
の4つのポイントで確認します。
過去の中でも抜群にヤバい頃です。笑
うーん、なんか変なフォームだというのは分かるけど
具体的に指摘するとなると……?
そう、分からない
こういうときは「補助線」を引いてみると分かりやすくなります。
まずは、アドレス時点の体の中心に線を引いてみます。
なるほど、色々違うけど特に2枚目の頭の位置が違うのか
そう、この差は一見わずか(?)だけど、致命的と言っても良いね
頭が中心線に触れている
頭が中心線から離れている(スウェー)
こう見ると一目瞭然ですが、タイガーは右肩が見えていますが、私は肩どころか上半身すらほとんど見えていません。
これは明確に「重心が移動してしまっている」と言えます。
(ちなみにこの時期は、「しっかり右に乗せてから体重移動で打つべし!」と思っていました)
具体的に、重心位置は2つの要素で決まります。
頭と腰
です。
頭は重いので、頭が動けば重心も大きく変わります。
腰の位置が変われば、それももちろん大きな影響を与えます。
出典:https://www.clipstudio.net/oekaki/archives/152489
一部解説用に追記
なので、「頭と腰」の位置を繋げば、おおよその重心が分かります。
これがなるべく中心線に近いところでスイングをし続けたいわけです。
重心に関する3つの勘違い
ありがちな誤解が次の3つです。
- ベルトの位置を見る
- 頭だけ、腰だけを見る
- 左右の重心しか考えない
ベルトの位置を見る
例えばこのシーンですが、
これって、重心はこのライン↓にあるんじゃないの?
「左足の内側に壁を作って重心をぶつけていく」みたいな話を聞くけど
という主張をする人がいます。
そういう方は、おそらく腰の位置をココで判断しています。
違うの?
全然違う。笑
あるいは、腰と聞くと、ここ(腰骨)を意識する人もいます。
しかし、ゴルフで言う腰は
「腰の中心」
のことです。
腰の中心とは、腰の
- 前でも
- 後ろでも
- 横でも
ありません。
自分では触ることのできない、体の内部「ど・センター」のことです。
なぜ内部を意識する必要があるのか。
それはゴルフが「ターン」のスポーツだからです。
- バックスイングも回転
- ダウンスイングも回転
- 以上終了
という中で、正しく中心を据えることが、飛躍的な上達のキモになるのです。
例えば、このように構えた場合、
(上空から見下ろしている、と思ってください)
腰の中心を基準に考えた場合、非常にスムーズにバックスイングができます。
中心を基準に、「左腰は前、右腰は後ろ」に回すことで、重心位置を変えずにバックスイングができます。
実際はクラブヘッドの加速分、頭が軽く振られるので、適度に重心が動きます。
このシーンのことです。
重心がクラブにつられて、微妙に動いています。
一方で、たまに聞きますが「スイングの基準は背中だ」「背中を意識してスイングしろ」というのは、実践するとこうなります。
これは目も当てられないほどの「大スウェー」です。
なので、必ず「腰の中心」を意識するようにしてください。
あらためてですが、二次元の正面写真で見た場合、「腰の中心」は必ず「腰の見えている範囲の真ん中」に来ます。
じゃないと、フィニッシュの時の重心がとんでもないことになります。
腰の中心はどんな時でも「見えている部分の真ん中(右図)」です。
ベルトのバックル位置は関係ありません(左図)。
この考え方が分かれば、一見ここに思える体の重心が、
本当はここにあることが分かるはずです。
頭だけ、腰だけを見る
ありがちな勘違い2つ目です。
例えばこのシーンですが、
頭は中心線より後方に、腰は前方にあります。
もしどっちか片方しか見なければ、
あれ、重心ズレてる?
と思うかもしれませんが、実際は、
先ほども見た通り、ほぼ「ど真ん中」です。
ちなみに、これは意図して「頭は後方に、腰は前方に」と動かしているわけではありません。
ボディターンをする過程で、勝手に腰は前方に、バランスを取るために頭は後方に位置しているだけです。
センターからスタート。
バックスイングで勝手に頭(と重心)がわずかに動く。
ダウンスイングで腰のターンとともに、重心が勝手に戻る
クラブにつられて重心がさらに少し移る。
ご覧のように、アドレスの中心線を基準としてスイングがなされています。
スイング重心のポイントは「頭と腰」の2つだと心得ましょう。
一般によく言われる「体重移動はある!」という主張は、腰位置の変化のことを言っていると思われます。
しかしこれは見ていただいたように、クラブの移動や体のターンで、腰の位置が「勝手に」変化しているだけです。
これを「自分で体重を移動させている」と考えると、不要なミスに繋がります。
左右の重心しか考えない
重心に関する勘違いのラストになります。
重心移動のミスというと、やはり、
こういった左右のスウェーを想像します。
しかし実際は「あと2つ」のスウェーがあります。
- 上下のスウェー
- 前後のスエー
です。
先ほど見た私のスイングですが、あれは見事に3つのスウェーが揃っているので見ていきましょう。苦笑
↑バックスイングで頭が下がって
↑インパクト~フォローにかけて上がっています。
しかしこれは本来の逆で、本当は、
- トップまではなるべく高さをキープして
- インパクトにかけて頭を下げる
必要があります。
↑ここで重心が前にかかりすぎている
(本当であれば、クラブが背中側にある分、重心もわずかに後ろに来るのがベター)
↑結果、帳尻を合わせるために体を起こしてバランスを取っている。頭が上がり、体が伸び、ハンドファーストに打てない原因(アーリーエクステンション)
しかし、前後のバランスはプロゴルファーでもブレる場合があるので、他の2つよりはコントロールしづらいと言えます
スイングの重心を動かさない方法
さて、今回の記事をまとめます。
- 「頭と腰の中心」を繋いだ真ん中で考える
- これをなるべくブラさないようにする
- その際、左右、上下、前後とも気を付ける
さて、ここで気になるのが、
で結局、具体的にはどうすれば良いの?
ということだと思いますが、ここでよくある勘違いが、
- 頭を動かさず、固定して打たないといけない
- 背骨を軸として、コマのように回らないといけない
- 体の動きは最低限にしてブレを減らさなきゃいけない
といったものです。
ウッズやマキロイのスイングを見れば分かりますが、あれだけ力強く、激しく色んな箇所が動いているのに、本来動くべきところにまで制限をかけることはマイナスでしかないのです。
そもそも頭はあくまで重心位置を決めるだけであって、「動かしてはいけない」とは一言も言っていません。
現に、プロを見ても頭の位置は動きまくっています。
頭の位置が動くから「重心位置が変わらない」のです。
そこで私が提唱したいのが「2点固定バックスイング理論」です。
バックスイング中、2つのポイントだけ意識すれば、勝手に重心のバランスがとれる
という理論です。
簡単に説明すると、
「アドレス→トップ」にかけて
肩の中心と腰の中心をなるべく動かさない
という考え方です。
先ほども見ましたが、まず腰の中心を意識してターンするとスムーズです。
そしてこれは肩にも当てはまります。
この2点だけ意識すれば、バックスイングで変に伸び上がったり沈み込んだりする可能性がグッと減ります
ダウンスイング以降も、同じ考え(二点固定)で打てるならそれに越したことはないです。
が、多くのアマチュアはその感覚で打つと、恐らく
- 右肩の突っ込み
- 右腰の突っ込み(あおり打ち・アーリーリリース)
が発生しますので、別の考え方が必要になるはずです。
長くなってしまうので、ダウンスイングについては別記事執筆までお待ちください!
今回は以上です、それでは。
【おまけ】
頭が動くことで重心がブレるアマチュアの典型はこういう人(管理人)ですが、
腰が動くことで重心がブレているいい写真がありましたので共有。
斜めでやや見にくいですが、こういうことですね。