(スコーン!)
お、ナイスショット!
今、いつもよりボールを内側に入れてたみたいだけど?
え、全然気にしてなかった。笑
という人は結構多いと思います。
この記事では、ゴルフにおける正しいボールの位置というものを、一度しっかり考え直してみたいと思います。
当サイトでは基本的に「数多くのトッププロのスイングを、静止画で実際に確認・分析する」という手法を採っています。
しかし、ボール位置に関してこの手法は使えません。
カメラの角度や打ちたい球筋、あるいはスタンス幅によって、ボール位置は簡単に変わってしまうからです。
なので、統計やリサーチで導き出せない分、論理で考えたいと思います!
ボール位置の理論的な決め方
- 世の中に完璧なストレートボールは存在しない
- 必ず曲げる方向を決めてから打ちなさい
という考え方はありますが、今回はストレートボールを打つことを前提に話を進めていきます。
スライスやドローを打つ前提だと、ボール位置も変えなきゃいけないですからね
いきなり重要ポイントから行きますが、
「左足かかとの位置」や「体のセンター」は、
ボール位置と一切関係ありません。
え、この2つがボール位置を決める大原則じゃないの?
と、思っている人は多いよね
よくあるボール位置の決め方に、
- ドライバーは左足かかとの前(人によってはつま先の前など)
- ウェッジは体のセンター
というものがあります。
この2つを基準に、クラブが「長いほど左」「短いほど右」に置くというやつですね
しかし、よく考えてみてください。
まず左足のかかとは、スタンス幅がちょっと変わるだけで5センチ10センチは軽くズレます。
また、同じ場所に置いたとしても、人によって打ち方は違いますから、「打ち込んでしまう」という人もいれば、「ダフってしまう」という人もいるはずです。
「体のセンター」にしても、何の根拠にも基づいていなければ適当に置いているのと変わりません。
では、正しいボール位置は何を基準に決めれば良いのでしょうか?
結論を言うと、ボールの位置に最も影響を与えるのは
スイングの最下点の位置
です。
正しくスイングができれば、スイングの最下点は基本的に左肩の下、左脇の下あたりに来ます。
試しにマキロイのスイングを見てみましょう。
この動画には2つのスイングが映っていますが、1つめのショートアイアンを見ていきます。
黒いウェアなので若干曖昧ですが、左脇はおおよそこのあたりです。
このあたりに最下点が来ると推測して話を進めます
インパクトが下の画像ですが、
クラブにシャフトリーンができている以上、当然最下点はこの後に来ます。
元動画のフレーム数の関係で厳密な最下点の瞬間を抜き出せませんが、おおよそ、このあたりです(厳密にはこれより少し先になりますが)。
左脇の下にヘッドが来ているのがお分かりいただけると思います。
ちなみに、このような普通のスロー動画(ウルトラスローではない)で、より厳密な最下点を知りたい場合は、インパクト後のターフの取れている範囲を確認するのが良いです。
当然そこ(ターフが取れているゾーン)は、他の位置より低いところにヘッドがあるからターフが取れるわけです。
黄色で示した部分が、ターフが取れているゾーンです。
長っ!?
黄色のセンターが最下点だとすると、白線が厳密な最下点になります。
なお、一流のトッププロなので白線が最下点になっていますが、我々アマチュアは赤線が最下点だとしても相当良いスイングです。
余談ですが、この白線、「直立したときの左脇の位置」に近いです。ゴルフの場合、脇を絞ってアドレスしますので、赤線が脇の位置になりますが、本来、脇幅と腰幅はそこまで大差ありません。
話を戻しますが、「正しいスイングの最下点は左肩、左脇の下あたり」に来るということになります。
ドライバー以外の全てのクラブは、クラブヘッドが最下点に来るより前に打つことがマストですから、ドライバー以外のボール位置に関しては「左脇より飛球線後方」というのが、まず絶対条件です。
では、最大でどれくらい後方まで動かして良いのでしょうか
アマチュアに関しては、これはせいぜい10センチ程度でしょうか。
最下点の10センチ後ろということは、下の図のように、ターフを20センチはとる必要があります。
目の前で両手を20センチ間隔に広げると分かりますが、この幅をダウンブローに振り抜いて薄くターフを取るのは、なかなかのハードルです。
たかが10センチだけど、こう言われると確かに簡単ではないね
映像のマキロイ(ショートアイアン)は、目測ですが10センチ強程度、飛球線後方側に動かしています。
(ゴルフボールの直径は約4.3センチ、最下点から少なくとも2個半強は右に入れているので10センチ強)
つまりボールの存在できるエリアは、せいぜいこの10センチの間のみです。
そして最下点ピッタリに置く意味はない(=わずかなミスでダフる)ので、実際は下記の5つの選択肢くらいしかないわけです。
- ピンクが最下点(基本ここにボールは置かない)
- 赤色は最下点からボール半個分下げた状態
- 水色は最下点からボール1個分下げた状態
- 緑色は最下点からボール1個半下げた状態
- 黄色は最下点からボール2個分下げた状態
- 白色は最下点からボール2個半下げた状態
どうでしょう?
思っていた通りですか?
それとも、思ってたより狭いですか?
今まで、右にも左にも置きすぎてた気がする……
いずれにせよ、論理的に考えると、原則この範囲にしか置けないのです。
繰り返しになりますが、これは左足かかととの関係性ではなく、最下点との関係性で見てください。
多くの場合、結果的に左足のかかとあたりに最下点が来ますが、この意味合いを理解できているかどうかが、スイング理解・上達に大きく影響します。
ボール位置を映像で確認する場合の注意点
よーし、色んなプロのボール位置を確認してみよー
と思って、YouTubeを調べるときに気をつけないといけないのが、先ほども言った通り、
- カメラの角度
- 打ちたい球筋(足を開いてるor閉じてる)
- スタンス幅
などです。
例えば、こちらのタイガーの動画ですが、
一見、ボールを左足かかとの前に置いているように見えます。
そこで、
ふむ、タイガーウッズのボール位置は「5番アイアンで左足かかと前」か……
と思ってはいけません。
この動画、非常に分かりにくいですが、恐らく正面ではなく、右足の前か、それよりさらに外れた位置から撮影しています。
さらにタイガー自身もいくらかオープン気味に構えているかもしれません。
なので、ボール位置が「あたかも左足かかと正面」にあるように見えますが、実際はもう少し内側に置いています。
このくらいのズレでも分析に影響が出るので、必ず「真正面」から撮影しているものを使用してください。
カメラ位置が数十センチも違えば、ボール位置はかなり違って見えてしまいます
今回の記事はここまで。
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