普通のアマチュアが確実に上達するために、本当に必要な用語集を作りました。
(随時更新中)
ややハイレベルな内容ですが、本当に始めたばかりの初心者以外、初級者から上級者までほぼ全員が対象です!
ア行
アームローテーション
(執筆中)
アーリーエクステンション
スイングの際に、体が早く伸び上がってしまうことです。
これが起きてしまうと、正しくボールを打てません!
ダウンスイングの間に、次のどれかが起きる場合はアーリーエクステンションです。
- 頭の位置が高くなる
- 頭が後ろ(ボールと反対側)に引ける
- 腰が前(ボール側)に出る
※すべて起きる人もいます
管理人の昔のスイング(すべて発生しています)
参考画像
程度が軽い場合は別ですが、重度のアーリーエクステンションが起きると、一部の例外を除きハンドファーストに打てません。
また似たような現象を指す言葉であおり打ち、手元が浮くというものがあります。
ちなみに、ハンドアクションのエクステンションとは関係ありません。
アーリーリリース
ダウンスイングの際、コックやヒンジが早めにとけてしまうことです。
アマゴルファーの9割がアーリーリリースとも言われます
へ? そんなに多いんですか?
アーリーリリースが起きるとハンドファーストに打てないので、次のような問題が発生します。
アーリーリリースはゴルフの上達を妨げる要因ナンバーワンです。
一刻も早く治さなくてはいけません。
そうは言っても、なかなか治らないんです……
そうだよね。僕も昔、全然治らなくて何度もゴルフを辞めようと思ったよ。笑
アーリーリリースが起きると、インパクト前に腕とクラブが一直線になる
(管理人のかつてのスイング)
アーリーリリースを治すには(ハンドファーストでインパクトするには)、正しいスイングの動きを理解して、習得するしかありません。
残念ながら、魔法は無いということです。
ハンドファーストなインパクト
ただし、自力で修正を果たした身からすれば、「特効薬や開眼」はないけど、一歩ずつ確実に治していけるものだという確信があります。
是非、当サイトにお付き合いいただければと思います。
また、アーリーリリースと似ている言葉でキャスティング、フリップというものもあります。
※キャスティングは切り返しの際のコックのほどけを指し、フリップはインパクトの際のヒンジのほどけを指します
あおり打ち
ダウンスイングでクラブヘッドが体の後方、そして下方向に垂れ、下からあおるような打ち方になることです。
クラブには遠心力があるから、うまく体を動かさないと……
あおり打ちになっちゃうんだね
腰が前に出たり、頭が後ろに引けたりと、いわゆるアーリーエクステンションの症状と似ています。
- 手元がインサイドアウトだとあおり打ち
- 体のターンが止まっていればアーリーエクステンション
と分類できます。
当サイトでは使いませんが、この状態を手元が浮くと表現する人もいます。
よく「すくい打ち」と同じに扱われがちですが、
「アッパーブローの軌道でボールを打つこと」に、より焦点が当たっている
「腰が前に出たり頭が後ろに引けたりすること」に、より焦点が当たっている
という違いがあります。
アップライト
2つの意味があるんだね~
アップライトなスイングの代表格、ジャスティン・トーマス
ライ角の大きいクラブがアップライト
アップライトなクラブは、インパクトの時にトゥが浮くので左に飛び出しやすい
ちなみに、よく次のような画像を見ることがあると思います。
赤がフラットで黄色がアップライト……という主張です。
これは間違いとは言い切れませんが、基本的にこのイメージは持たない方が良いです。
ゴルフスイングというのは思っているより複雑なので、1本の線で理解しようとすると、スイングに無理が出てしまうからです。
アドレス
ボールに対して構えること全般を指します。
言葉の意味が広いので、使い方・使われ方に注意。
このサイトでは「グリップ」「セットアップ」「ポスチャー」の3つに分けられると考えています。
アドレスの大切さに気づければ、上級者と言えます
アッパースイング
アッパーブローのこと。また、そのようなスイング。
アッパーブロー
下から上がる軌道でボール捉えること。
アッパーブローでボールを捉えるバッバワトソン(左右反転)
また、スイングの最下点より奥の部分を強調する意味合いもあります。
ドライバー以外は原則ダウンブローですが、ドライバーはどちらで打っても大丈夫です!
アライメント
アンコック
ダウンスイング中に手首を下側に折る動きのことです。
ウルナーディビエーションとも言います。
手首を下側に折るという動きそのものに焦点を当てている
スイング中に手首を下側に折るということに焦点を当てている
という違いがあります。
「手首のリリース」と言ったときに、このアンコックのことを指す、あるいはアンコックを含めるケースがあります。
アンコックの動き
インターナルローテーション
腕を内側に回すことを指します。
特に前腕のみ内側に回すことはプロネーションと言います。
右腕のインターナルローテーションの動き
インパクト
後ろ倒し
ウルナーディビエーション
手首を下側に折る動きのこと、または折れている状態のことを指します。
アンコック、サムダウンとも言います。
ウルナーディヴィエーションの動き
APT
エクスターナルローテーション
腕を外側に回すことを指します。
特に前腕のみ外側に回すことはサピネーションと言います。
左腕のエクスターナルローテーションの動き
エクステンション
手首を甲側に折ることを指します。⇔フレクション
ハンドファーストでインパクトする際、どんなスイングであれ、必ず右手がエクステンションの形になります。
カップとも言います。
右手のエクステンションの動き
エラー
LPT
切り返しでの腰の動きの一種。
Left Pelvic Tilt(左 骨盤 傾ける=下げる)の略。
スムーズにターンできるとされる。
GGスイングほどでなくても、左膝を少し開くイメージがあるとやりやすい(かも)。
オーバースイング
オープン(オープンフェース)
起き上がり
- アーリーエクステンションのこと。
- 「インパクト後、(すぐに)上体が起き上がること」を指す場合もあります。
このあいだ「ヘッドアップして体が起き上がってるよ」って言われたんだけど……
ああ、それは気にしなくても大丈夫だよ
……え、よいの?
ミスショットしたあと、かなりの確率で言われる「今のはヘッドアップだね」という言葉。
ダウンスイングからインパクトまでは0.3~0.4秒と言われますが、スイングは本当に一瞬で行われます。
その一瞬の出来事を、普通のアマチュアゴルファーが「今のは起き上がるタイミングが0.05秒早い」などと見破るのは、僕としては難しいと考えます。
カ行
カップ
手首を甲側に折ることを指します。⇔ボウ
ハンドファーストでインパクトする際、どんなスイングであれ、必ず右手がカップ(左手がボウ)になります。
カッピング、エクステンションとも言います。
右手のカップの動き
カップ、聞いたことないなぁ……
これができる人とできない人で平均をとったら、軽く20打は違うくらいの「スイングのキモ」なんだ
ぼくは練習中
だけどまだフリップしちゃいます
ちなみにカップにもやり方が2種類あり、
- 1つはこの映像のように、「手の上側(指先)」を外に開くやり方
- もう1つが、逆に「手の下側(手首)」を内に入れるやり方
これはスイングによって相性が変わるが、後者は肘も一緒に動く(中に入る)という特性を持つ。
キャスティング
切り返しの際、手首のコックがほどけて、クラブヘッドを放り出してしまうこと。
バックスイングの反動で切り返したり、手を多く使ってダウンスイングをしたりすると起きやすいエラーで、キャストとも言います。
キャスティングが起きるとハンドファーストに打てないので、次のような問題が発生します。
※アーリーリリースは手首のリリースが早い状態全般(主にダウンスイングの途中)を指し、フリップはインパクトの際のヒンジのほどけを指す
切り返し
コック
バックスイング中に手首を上側に折る動きのこと。
コッキング、ラディアルディビエーションとも言います。
手首を上側に折るという動きそのものに焦点を当てている
バックスイング中に手首を上側に折るということに焦点を当てている
という違いがあります。
ヒンジコックもご参照ください。
コックの動き
コンプレス
サ行
サイドベント
(執筆中)
サピネーション
前腕のみ外側に回すことを指します。⇔プロネーション
手首だけを動かすイメージで「結果、前腕がついてくる」という感覚でしょうか。
前腕に限らず腕を外側に回すことは、総称してエクスターナルローテーションと言います。
左前腕のサピネーションの動き
GGスイング
アメリカ人ゴルフコーチ「ジョージ・ガンカス(ガンクスとも)」によるスイング理論。
ピボットターンスイングに分類され、極度のガニ股(左膝の外旋)でLPTを実現し、大幅なシャローと十分なボディターンで打っていく。
ただし、LPTやシャロー自体は(程度問題こそあれ)ピボットターンならみんなそうなので、GGスイングが特別ということではないです!
(これを極端にやろうというのがGGスイングです)
アダム・スコットなども取り組んでいる。
GGスイングの申し子マシュー・ウルフとファンによるモノマネ動画
面白いので必見です。笑
シグネチャームーブ
ある選手やメソッドにおける特徴的な動きのことを言います。
ダスティン・ジョンソンの左手のボウ
ヘッドを外に出し、シャフトクロスを作るAスイング
シャット(シャットフェース)
フェースが閉じていること。
最近の大型ドライバーは重心距離が長いため、
重心距離=シャフト延長線から重心までの距離
(重心位置は便宜上の表記)
一度開いたフェースを閉じることが難しく、プッシュしやすいとされています。
そのため、現在では多くのプロが、
- バックスイングをシャットに上げたり
- シャットなトップを作ったり
- デリバリーポジションでシャットを強めたり
して、そもそもフェースが開かないよう工夫しています。
これはスイングを統一するために、アイアンでも行われています。
シャットフェースを作るには左手をボウ、右手をカップにすれば良いです。
バックスイングをシャットに上げるタイガーウッズ
via https://www.youtube.com/watch?v=ppDvhlGr5nI&t=35s
トップがシャットなダスティンジョンソン
左手のボウと右手のカップにも注目
via https://www.youtube.com/watch?v=DWAb1WEXfyk
デリバリーポジションでシャットに下ろしてくるブルックスケプカ
via https://www.youtube.com/watch?v=IjQtnRSeopc
同じ選手でも、番手が長いほどシャットに見えないので注意(体の動きは同じで、同程度にシャットです!)
ダスティンジョンソン比較(ドライバーとウェッジ)
左 via https://www.youtube.com/watch?v=mkK_rnShxik
右 viahttps://www.youtube.com/watch?v=HAZDJeiqVnM
シャフトリーン
シャフトが飛球線方向に作る傾きのこと。
主にインパクトのときに使う言葉で、これがないとハンドファーストに打てません。
フォワードシャフトリーンとも。
タイガーウッズ
via https://www.youtube.com/watch?v=KJIcGvAhUV8
クラブシャフトが「寝ている」状態を指します。
主にアイアンのダウンスイングの際、グリップエンドがボールより外側を指していればシャローと言えます。
シャローの代表格、セルヒオ・ガルシア
ドライバーの場合、多少のシャローやオンプレーンスイングだとボールの内側を
指すことも多い中、このシャローは異次元
多くの場合、切り返しでシャフトを寝かせる動きが入ります。
シャローな形を作る意味ですが、
- アーリーエクステンションを抑える
- ボディターンをしやすくする
- 正しいスイングプレーンに乗せやすくなる
と盛りだくさんです。
ほとんどのプロはこうなっていますし、当サイトも基本的にはシャローを目指すべきと考えています。
ちなみに「シャロー」にはもうひとつ、別の意味もあります
アタックアングル(入射角)が緩やかであることもシャローと言います。
ショートアーム
体はしっかりとターンしているが、腕はスリークォーターのポジションにある、コンパクトなトップの形のこと。
腕の運動量は小さいが体の運動量が大きいので、手先に頼ることのない再現性の高いスイングができます。
さらに、運動エネルギーも確保できるので飛距離もキープできるとされています。
最近のトッププロに多いトップの形です。
ショートアームの代表格、ジョン・ラーム
管理人の比較画像
左がショートアーム(体は捻転しているが、腕の位置はコンパクト)
右がロングアーム(捻転が少ないわりに、腕が過剰に動いている)
※ただし、上のロングアームは悪い例です
ロングアームのプロもたくさんいますし、私自身も実はロングの方が相性が良いです
スイングプレーン
スウェー(スエー、スウェイ)
スイングの際に、頭や腰が流れてしまうこと。
これにより重心位置がズレるので、スイング軌道がブレるし、スイングに必要なターンもできなくなる。
- バックスイングの際は飛球線後方側へ
- ダウンスイングの際は飛球線側へ
流れがち。
アーリーリリースやアーリーエクステンションと密接に絡み合っているので、これらを治す場合はスウェーから手を付ける必要がある。
スウェーのイメージ
バックスイングでスウェーしている例
ちなみに、スウェー自体は「重心が動くこと」と言ってよい。
どういうことかと、左右のほかに「上下」と「前後」もあるということです
これらすべてに気をつけないといけない。
スクエア(スクエアフェース)
スクワット
切り返しでの腰の動きの一種。
しゃがみこむような動き(スクワット)で、まず腰を落とすイメージでダウンスイングを始めること。
via https://topspeedgolf.com/vault/stop-early-extension-with-the-tiger-squat/
しゃがむことによる反発(地面反力)で、パワーが増すとされています。
人によっては左右の入れ替えがスムーズになるらしいですが、個人的には分からない感覚。
via https://www.youtube.com/watch?v=6vRZYr3OBrY
ダウンスイングで頭が下がるのは正しいが、これをスクワットで作るのは正直「?」です。
とはいえ感覚は人によるので、これで上手くいく人は全く問題ありません。
スタック
ダウンスイングで右肘が体の後ろに入ってしまい、行き場を失ってしまうこと。
これが起きると、次のどちらかのエラーが誘発されやすくなります。
- アーリーリリースやアーリーエクステンション、チキンウィングなどでフリップさせる
- 極端なインサイドアウトで外に逃がす(中~上級者)
上級者にもスタックの人はいるんですね
フリップは致命的だけど、インサイドアウトで逃がす人はスコアを作ることも可能だよ
(もちろん治した方が良いけど)
右肘が背中側に入り、完全にスタック(左図)
ターゲットラインよりかなり右に打ち出しているのが分かる(右図)
プッシュとフックに悩まされる要因。
インサイドアウトが上手くハマらないと、シャンクの可能性も……。
女子プロなど一部柔軟性に富んでいる人は、無理やりターンして綺麗に打つこともできるんですが、オススメはしません
ちなみに、原義はstuck(行き詰って/動かない/引っかかった etc…)ですので、スタックアンドチルト(Stack and Tilt)とは関係ありません。
スティープ
クラブシャフトが「立っている」状態を指します。
主にアイアンのダウンスイングの際、グリップエンドがボールより内側を指していればスティープと言えます。
左はジミー・ウォーカー、右はフィル・ミケルソン
トッププロのスティープなダウンスイングは稀
多くの場合、切り返しでシャフトを立てる動きが入ります。
スティープが良くないと言われる理由ですが、
- アーリーエクステンションが起きやすくなる
- ボディターンをしにくくなる
- 無理に打つとアウトサイドインのプレーンになる
とこれだけ挙げられます。
実際、プロの選手ではほとんどいませんので、あえて習得する必要はないでしょう。
⇔シャロー
ちなみに「スティープ」にはもうひとつ、別の意味もあります
アタックアングル(入射角)が急であることもスティープと言います。
⇔シャロー
スパインチルト
主にアドレス時、インパクト時の上半身の飛球線後方側への傾きのことを言います。
「スパイン=背骨」「チルト=傾き」です
ともにローリー・マキロイ
上 via https://www.youtube.com/watch?v=CbyTf-rrZi0&t=131s
下 via https://www.youtube.com/watch?v=zfRJ-GqM-aw
ドライバーショットの際に、これを強めるとアッパーブローに打ちやすくなります。
基本的には
- 「アドレス時よりインパクト時の方が」
- 「短い番手よりは長い番手の方が」
大きくなるのが普通です。
上のマキロイのデータを抜粋
ウェッジ(黄色)よりドライバー(赤)の方が大きい
ちなみに、USPGA(アメリカプロ)の平均で
- ドライバーのアドレス時、6~10°
- インパクトで20~25°
とも言われており、上のマキロイ(6°と22°)とも合致。
ちなみにアドレス時にスパインチルトをつけすぎると、バックスイングでインサイドに引いてしまうので注意。
スピンアウト
スロットポジション
セットアップ
タ行
ターン
体を回すこと。スイングの本質のひとつ。
- バックスイング側への回転
- ダウンスイング側への回転
- その両方
を指す場合があります。
アマチュアは必要なターンが不足している場合も多く、この状態を手打ち、あるいはスウェーと言います。
ダウンスイング
- ダウンブローのこと。
- スイングを分割して考えた場合の、トップからインパクトまでの間の部分のこと。
ここをどう動かすかで、ハンドファーストに打てるかどうかが決まってきます。
「デリバリーポジション」「P10分析法」も参照
ダウンブロー
上から降りてくる軌道でボール捉えること。
ダウンブローでボールを捉えるタイガー
また、スイングの最下点より手前の部分を強調する意味合いもあります「。
ドライバー以外のショットは、原則ダウンブローで打ちます。
ハンドファーストも参照。
縦振り
スイングの際、何かに対して何かを縦に振っている状態を指します。⇔横振り
用語の定義が人によって違う、というのはゴルフにおいてよくありますが、その中でも最大級に定義が変わります。
個人的には、この用語自体を使わない方が良いと思っています。
うーん……何がタテなんだろう?
ちなみに、似ている(?)用語に、アップライトというものがあるよ
こちらの定義は明確なので、この意味で使うなら「アップライト」と言った方が良いでしょう。
タメ
ラグのこと。
「タメ」という言葉の悪い点はラグの項目に詳しく書きましたので、是非ご覧ください。
よくある間違った「タメ」のイメージ(左図)
正しい「タメ(ラグ)」のイメージ(右図)
詳細はラグのページへ
チキンウィング
テイクアウェイ
テイクバック
手打ち
スイングにおいて、体の運動量より手の運動量の方が多い状態のことを言います。
しかし、指す範囲があまりに広すぎるので、スイングを語る上でこの言葉を使う必要性はほぼありません。
「スウェーが起きている」「切り返しが間違っている」と、具体的に問題点を認識する必要があります
「手打ちを治しましょう」というレッスンは何も言っていないのと同じなんだね
個人的には、この手打ちという言葉が多くのアマチュアの考える力を奪って、成長を止める要因になっていると感じます。
例えば、この動画は管理人がかなり「手打ち」だった頃のものですが、これをどのように考えるか。
- 体のターンが足りていない
- インパクトのハンドアクションが間違っている
- フォローの出し方が違う
とエラーを分解して考える
- 手打ちになっている(もっと体でスイングしよう)
と漠然と認識し、ひたすら打ち込む
良い例のように考えられれば、ゴルフの上達は思っているより近いです。
手元が浮く
インパクトの際、
- 腰が前に出たり
- 体が伸び上がったりして
パワーをしっかりボールに伝えられない状態のこと。
基本的にはアーリーエクステンションやあおり打ちのエラーと近い現象を指します。
一般的には右のような状態を指す
しかし、この言葉のせいで、多くのゴルファーが「インパクトで手は低い位置に持ってこなきゃダメなんだ」と思い込んでしまっています。
「アドレスとインパクトで手の場所は同じ」って習ったけど?
やっかいなことに、ツアープロやレッスンプロでも、「手元の場所は同じ」と思っている人が結構いるんだ
しかし、実際は全くそんなことはありません。
ザンダー・シャウフェレ
トニー・フィナウ
ほとんどのプロにおいて、インパクトの時の方が手元は浮いています(=高くて遠い)。
手打ちと同様、多くのアベレージゴルファーが、この手元が浮くという言葉に惑わされていると感じます。
デリバリーポジション
ダウンスイングで「シャフトが地面と平行」になるポジションのこと。
ダスティン・ジョンソン
P10分析でいう「P6」と同じポジションです。
アダム・スコット
デリバリーポジションは、フェースコントロールやボディターンに非常に重要な意味を持つポジションです。
従来は、ここからアームローテーションで手首を返して打つのが主流でした
しかし、現在ではこのデリバリーポジションで「インパクトの形を先取り(※)」して、そこからのターンでオートマチックに打っていく打ち方が主流です。
そのため、「デリバリーポジションが正しければ、ナイスショットは約束されている」とも言われます。
【インパクトの形の先取り】とは
のこと。
デリバリーポジションでシャットに下ろしてくるブルックスケプカ
via https://www.youtube.com/watch?v=IjQtnRSeopc
デリバリーポジションの時点でシャット(フェースを閉じた状態)を完成させておく。
これで後はフェースの開閉をせず、体をターンさせるだけでスクエアにインパクトができる。
↑インパクトが多少ズレても、一定の幅に収まる
↓フェースの開閉が多いとこうなる
トランジション
ナ行
捻転差
伸び上がり
- アーリーエクステンションのこと。
- 「インパクト後、(すぐに)体が伸び上がること」を指す場合もあります。
「起き上がり(上半身が)」と比べても、ニュアンス的に何を指しているかがさらに曖昧です(頭だったり、足だったり、腰だったり)。
ヘッドアップやルックアップと一緒くたに語られることも多いです。
ハ行
ハーフウェイダウン
デリバリーポジションのこと。その前後を含む場合も。
ハーフウェイバック
バックスイング
パッシブトルク
ハンドファースト
インパクトの際、クラブヘッドより手元が先行している状態。
これができると、ボールをダウンブローに打つことができます。
これができるとショットが格段に簡単になります
ハンドレイト
インパクトの際、手元よりクラブヘッドが先行してしまっている状態。
左がハンドファーストのタイガーウッズ
右がハンドレイトだった頃の管理人
アマチュアの多くが該当していると言われます
これが起きると、ダフリやトップなど、ミスショットを誘発します。
バンプ(バンピング)
切り返しでの腰の動きの一種。
まず腰を飛球線方向にスライドし、前方にぶつける(バンプする)ようなイメージでダウンスイングを始めること。
出典:https://www.4moles.com/learn-golf/golf-tips/ground-up-vs-top-down
アマチュアの場合、スウェーに問題を抱えているケースも多いので、個人的にはバンプの意識は不要なことが多いと思う。
切り返し後の腰の動きは他に、スクワット、LPTなどがあり、これらはピボットターンスイングに分類される(バンプはバンプスイング)。
P1~P10(P10分析)
スイングの過程を10分割して考える分析法。
従来は「アドレス~フィニッシュ」までの7分割だったが、より細かく分析できるようになっている。
- P1:アドレス
- P2:シャフトが地面と平行
- P3:左腕が地面と平行
- P4:トップ
- P5:左腕が地面と平行
- P6:シャフトが地面と平行
- P7:インパクト
- P8:シャフトが地面と平行
- P9:左腕が地面と平行
- P10:フィニッシュ
スイング精度を高めるためには「ほぼマスト」と言える考え方です!
PPT
ビジネスゾーン
ピボットターン(ピボットターンスイング)
極力体重移動せずに、その場でターンするようなスイングのこと。
このサイトでもオススメしている。
昔ながらの体重移動を伴うようなスイングはバンプスイングと呼ばれる。
ヒンジ
右手首を甲側に曲げることを指します。
ハンドファーストに打つための最重要ポイントのひとつです。
「カップ」と基本的に意味は同じ。
ただし「カップ」は両手に対して使えますが、ヒンジは基本的に右手に対してしか使いません(右打ちの場合)。
ヒンジの動き
ヒンジ&ホールド
主にチップショットの際に用いられる技術で、右手のヒンジを保ったまま打つことを言います。
ヒンジ&ホールドと言えば、メジャー通算5勝のフィル・ミケルソンが有名です。
彼曰く
パッティングには無数のやり方があるが、チッピングにはやり方がひとつしかない(中略)ヒンジ&ホールドじゃないチップショットはクレイジーだ
とのこと。
何を言っているか分からなくても、見るだけで勉強になると思います。
ヒンジコック
主にバックスイングの際に、ヒンジとコックを同時に入れる動きを指します。
変則的ですが、トップまではノーコックで、切り返しで一気にヒンジコックを入れる方法もあります
個人的な見解としては、ヒンジはインパクトまでのどこかで入れればいいので、バックスイングのヒンジコックはマストではありません。
むしろ、あまりヒンジコックの意識が強すぎると、シャフトがプレーンから外れて、バックスイングの時からシャローに上がってしまうこともあるので注意。
管理人のかつてのスイング。
ヒンジの意識が強すぎて、バックスイングの段階でプレーン(青線)から外れてしまっている(赤線)
【2020/7/11追記】
その後、考え方を再度修正し「アマチュアこそジョンラームのように、早めのヒンジコックを入れるべき」と思いに至りました。
しかし、その場合もバックスイングは、シャローではなく「スティープ~オンプレーン」に上げるべきなので、↓みたいにならないよう注意。
フォロースルー(フォロー)
フライングウェッジ
ふらいんぐうぇっじ……?
サンドウェッジが飛ぶの!?(わくわく)
残念ながら違うよ。笑
フライングウェッジとは、クラブヘッド、グリップ、肘が作る三角形のことを指します。
あるいは、その三角形をキープする打ち方のことです。
ライン出しなどのとき、フェース面を長くスクエアに保つ効果があります。
※右打ちの場合、基本的には右腕が作る三角形を指しますが、人によっては左腕とクラブが作る三角形を意識した方が上手くいく人もいるようです。
ヒンジやヒンジ&ホールドに考え方は似ていますが、これらが手首の角度に焦点を当てているのに対し、フライングウェッジは体全体で三角形をキープするようなイメージです。
「フライングウェッジ」ってどういう語源なんですか?
欧米では一般的(?)な言葉で、軍隊やスポーツの際の三角形型の陣形を指すみたいだね。意味的には、フライング(=飛ぶ)ウェッジ(=くさび)ということかな?
こ、これがくさび……
フライングエルボー
フラット
2つの意味がありますよ
フラットなスイングの代表格マット・クーチャー
ライ角の小さいクラブがフラット
フラットなクラブは、インパクトの時にヒールが浮くので右に飛び出しやすい
ちなみに、よく次のような画像を見ることがあると思います。
赤がフラットで黄色がアップライト……という主張です。
これは間違いとは言い切れませんが、基本的にこのイメージは持たない方が良いです。
ゴルフスイングというのは思っているより複雑なので、1本の線で理解しようとすると、スイングに無理が出てしまうからです。
フリップ
インパクトの際、手首のヒンジがほどけて、こねるように(すくうように)打つことを言います。
逆に「左手がカップ」「右手がボウ」になってしまうのが、フリップですね
こねるような打ち方が特徴。
- ロフトが死ぬので、飛距離が落ちる
- ラグができないので、スイングスピードも落ちる
- 最下点で打つしかないので、ダフリやトップが出やすい
ゴルフ上達のためには一刻も早く治すしかないフリップ。
しかしこのエラーは、
など、別のエラーと密接に絡み合っているので、治そうにもなかなか治らないのです。
- オーバースイングする
- 反動で切り返しがクラブヘッドからになる
- ヘッドが先行しフリップ
- ダウンスイングでターンが止まる
- 体の行き場がなくなりアーリーエクステンション
- このままだとヘッドが地面に届かないのでフリップ
私自身、フリップが治らず何度もゴルフを辞めようと思いました
しかし、フリップは確実に治せます。
主な原因は
- 体のターンが止まること
- 正しい手首の形を知らないこと
- 正しい体の動かし方を知らないこと
です。
当サイトの各コンテンツを読みながら、少しずつ修正していってほしいと思います。
また、アーリーリリース、キャスティングの項目も合わせてご参照ください。
※アーリーリリースは手首のリリースが早い状態全般(主にダウンスイングの途中)を指し、キャスティングは切り返しの際のコックのほどけを指します
↓管理人のビフォーアフター
なお、厳密にはインパクトの際に手首を急激に返す(ローリングさせる)ことがフリップだ、という主張もありますが、一般には上のように解釈されることが多いので、当サイトでも上の意味で使っています。
フレクション
手首を手のひら側に折ることを指します。⇔エクステンション
ハンドファーストでインパクトする際、どんなスイングであれ、必ず左手がフレクションになります。
ボウとも言います。
左手のフレクションの動き
プロネーション
前腕のみ内側に回すことを指します。⇔サピネーション
手首だけを動かすイメージで「結果、前腕がついてくる」という感覚でしょうか。
前腕に限らず腕を内側に回すことは、総称してインターナルローテーションと言います。
右前腕のプロネーションの動き
フロントベント
ボウ
手首を手のひら側に折ること。⇔カップ
ハンドファーストでインパクトする時、どんなスイングであれ、必ず左手がボウ(右手がカップ)になります。
発音の違いでバウド(バウドリスト)と言ったり、日本語で掌屈と言ったりします。
また、フレクションとも言います。
左手のボウの動き
なんだか、難しそう
大人になってからゴルフを始めた人で、この動きができるようになった人なんているんですか?
簡単ではないけど、僕は最低限できるようになったから安心して!
頑張ってみます!
ポーズ
ポスチャー
ボディターン
ボディをターンさせること。
具体的には、
- 手の運動量より体の運動量を大きくすること
- 体重移動より回転量を大きくすること
の2つが必要とされる。
と言われる。
マ行
前倒し
ミート率
ヤ行
横振り
スイングの際、何かに対して何かを横に振っている状態を指します。⇔縦振り
用語の定義が人によって違う、というのはゴルフにおいてよくありますが、その中でも最大級に定義が変わります。
個人的には、この用語自体を使わない方が良いと思っています。
うーん……横に振る? ゴルフスイングって縦にも横にも振ってると思うけど……
そうだね。個人の感覚によって同じスイングでも「縦振りだ」「横ぶりだ」なんて言われることは結構多いよ。あんまり生産的ではないね
ちなみにフラットという似ている(?)言葉があります。
こちらの定義は明確なので、この意味ならば「フラット」を使うと誤解がなくなるでしょう。
ラ行
ラグ
ダウンスイングにおいて、手元が先に降りてきて、クラブヘッドが残っている(遅れている)状態のことです。
コックやヒンジをキープ(あるいは強める)ことで作ることができます。
タイガー・ウッズ
うわー、すごいラグですね!
ラグを解放することで、ヘッドが手元の何倍ものスピードで動くので、飛距離アップに直結します。
また、ダウンブローでボールを捉えるには手元を先行させる必要があるので、ハンドファーストで打つためにもラグは必要です。
ダウンスイングの早い段階でラグがなくなってしまうことをアーリーリリースと言います。
ちなみにこのラグ、一般には「タメ」と言われることが多いです
意味は同じですが、タメという言葉はクラブを縦に動かす(立てることで”タメ”る)ようなイメージを誘発してしまうので、当サイトでは基本的に「ラグ」という言葉を優先して使っています。
左が間違った「タメ」のイメージ。本来ラグは右のようにあるべきです
パワーの出力方向が全然違います
ラディアルディビエーション
手首を上側に折る動きのこと、または折れている状態のことを指します。
コック、サムアップとも。
ラディアルディビエーションの動き
リストセット
リバースピボット
リリース
ロングアーム
腕の運動量が多い(動きが大きい)深いトップの形のこと。⇔ショートアーム
ドラコン選手などによく見られます。
原則として、腕の運動量は多ければ多いほど飛距離を稼ぐ要素になります。
ドラコン選手の超ロングアームなトップ
しかしアマチュアの場合、体の運動量が少ない、いわゆる「手打ち」の場合が多く、これは悪いロングアームです
管理人の比較画像
左がショートアーム(体は捻転しているが、腕の位置はコンパクト)
右が悪いロングアーム(捻転が少ないわりに、腕が過剰に動いている)
しかし、正しく打てればロングアームでも問題ありませんし、そういうトッププロもたくさんいます。
ダスティンジョンソン(ショートアイアン)
via https://www.youtube.com/watch?v=Fa2TwXOk5Pk&t=68s
これはかなりのロングアームです(ショートアイアンなのにクラブが地面と平行に近く、腕もほぼ真上に上がっている)。
何を隠そう私自身も、実はロングアームの方が上手く打てます
ただし、ハンドファーストで打てない人やいわゆる「手打ち」の人は、まずショートアームの習得を目指した方が良いでしょう。
悪いロングアームは、アーリーリリースを招きやすいです。