ゴルフスイングの連続性を知る
これは私の仮説ですが、アマチュアにとってのゴルフスイングは「Yes,Noチャート」になっているように思います。
どういうことかと言うと、スイングの各ポイントで「正しいスイングができているか?」を毎回問われていて、一度間違えたらもう正しいスイングには戻れない、ということです。
図にした方が分かりやすいでしょうか
変則スイングのチェ・ホソン選手をはじめとして、プロであればどこかで無理やり帳尻を合わせることも可能です。
しかし、大人になってからゴルフを始めたアマチュアに途中からのリカバリーは難しいでしょう。
この仮説が正しいことを前提に話を進めると、スイングはアドレスから順に整えていく必要があるということです。
正しいテイクバックができないうちにフォローの出し方ばかり練習しても、相当非効率ということになります。
そういう意味では、ダウンスイングがしっくりこない人の原因は、もしかしたらアドレスやテイクバックにあるかもしれません
……というここまでを原則としつつ、ひとつだけ例外を言わせてください。
それは、「インパクトの瞬間の形」だけは一番初めに知っておく必要がある、ということです。
確かによく、
- 「スイングのキモは切り返し」だの
- 「インパクトは通過点にすぎない」だの
言われています。
しかし、クラブとボールの唯一の接点であるインパクト(の形)以上に大事な部分があるでしょうか?
(もちろん全部大事ですけど!)
そういった意味では、「Yes,No話」に一見矛盾するようではありますが、インパクトの正しい形をあらかじめ知っておくこと、強く意識することが、最速で「正しいスイング」を身に付けるためのキーワードだと言えます。
インパクトという一旦のゴールが明確だと、正しい切り返しや実現すべきダウンスイングのイメージも湧きやすいです。
インパクトは「意識しなくていい通過点」ではなく「極めて重要な経由地」と捉えた方が良いでしょう。
【なぜ多くの一流プロやレッスンプロ、上級者たちは「インパクトなんて通過点だ」などと言うのか】
今紹介した「インパクトの形を強く意識しろ」というのは、巷の多くのレッスンと矛盾する内容になっています。
論理的に考えれば、クラブとボールの接点であるインパクトが大事じゃないわけがないのですが、なぜ「通過点」扱いされているのでしょうか。
それは「彼らにとっては」通過点に過ぎないから、です
インパクトはボールの弾道を決める唯一の直接的なポイントですが、上級者にとっては「インパクトの形」というのは「当たり前の形」なので、あえて意識する必要がありません。
例えば、上級者は目をつぶってもボールが打てますが、これは正しいインパクトの形をマスターしているからです。
意識しなくてもできることを「重要だ」という人はいません。
しかしそれは「意識しなくてもできるまで練習したから」あるいは「意識しなくても元々できたから」なのです
片や一般アマは、そもそも「正しいインパクトの形」というものを知りませんし、知らないからできません。
まずはそれを習得することが先決だと思いませんか?
正しいインパクトの形を知る方法
よくあるダメなゴルフブログに、「スイングを言葉でしか説明しない」というものがあります。
レッスンプロが対面で手取り足取り教えても伝わらない「感覚」というものを、文字だけのサイトが全て伝えきるのは到底無理な話です。
なので、最低限写真(イラストではなく写真)や動画で見せていく必要はありますし、当サイトはその方針で記事を作っています!
しかし、写真以上に伝わるのが「適切な練習器具で実際に体感してもらう」という方法です。
インパクトの際に必要な動き
インパクトの際に特に重要な動きは3つあります。
より詳細な説明は追々しますが、今の段階では「そういうものだ」と思って受け入れてください。
この3つです。
体のターン
まず、知っておいていただきたいのが、正しいインパクトの際に、腰はアドレスと比べて45度程度開いているということです。
これは以下のタイガーの画像を見てもらうと分かると思います。
他のプロは割愛しますが、これはタイガーに限らず全員そうなっています。
左手首を手のひら側、右手首を甲側に折る動き
ジョン・ラーム
ジョン・ラームの場合はアマチュアには真似できないレベルで折れていますが、ハンドファーストにインパクトするということは多少なりともこの方向に折れることが必須となります。
「手元が先行」するのが「ハンドファースト」なので当然ですね
両手首をほんの少し下側に折る動き
この3つ目が地味に大切です。
ローリー・マキロイ
正しいインパクトの際、手の位置は「アドレスより高くて遠いところ」に来ます。図で言うところの3番です。
そして手が3番の位置に来ると、必然的に「手首がほんの少し下側に折れる」ことになります。
ここで一旦、ピッチングなどを持って実際に構えてみましょう
クラブヘッドをソールした場所から動かさずに、今までの2つの動き
- 腰の45度ターン
- 左手首を内側、右手首を甲側に曲げる
を取り入れて、手を3の位置に持っていってみてください。
両手首が少し下側に折れる(というか、手元が上がるので折らざるを得ない)のが分かると思います。
かなり極端な例ですが、↓こういうことです。
※手元が上がれば、手首は下側に折れます
以上の3つ、
- 体のターン
- 左手首を手のひら側、右手首を甲側に折る動き
- 両手首をほんの少し下側に折る動き
これがインパクトの際に特に大事なポイントというわけですが、これをどうやってマスターすれば良いのでしょうか。
ここで当初の話に戻ります。
「文字だけでは伝わらない」「練習器具での体感が有効」という件です。
ハンドファースト体感マシン(0円)
用意するものは「クラブ」と「ハンガー」だけ。お手軽です。
まずクラブ(PWでOK)を普通に構えてください。
面倒ですが、きちんとボールも置きましょう
※ちなみに私は片手でやってますが、これは写真を撮るためなので、みなさんは普通に両手でやってください。笑
グリップに上から重ねる形で、下図のようにハンガーを一緒に持ちます。
グリップのセンターとハンガーのセンターを合わせるくらいの位置が良いです。
この際、ハンガーのフック部分が重いので、下の図のように下にずり落ちないように気を付けてください。
あんまりないと思いますが、フック部分が上に来てもダメです。
以下のように、ハンガー全体がグリップの真横にあるのが正しいポジションです。
(ちなみに針金ハンガーなどはフック部分がずり落ちやすいので、しっかり握れるハンガーがおすすめです)
しっかり構えられたら、下図のイメージで腰を45度ターンして左手首を内側、右手首を甲側に曲げてください。
この段階では、まだハンガーと右腕が当たっていないはずです(人によっては軽くかするくらいはあるかもしれません)。
最終的に「両手首をほんの少し下側に折る動き(=手元を3番の位置に上げる動き)」を入れることで、ハンガーと右前腕の裏側がしっかりと当たります。
これが「正しいインパクトポジション」になります。
正しいスイングを習得するにはアドレスやトランジション(切り返し)、ダウンスイングなど全てのパートをマスターする必要がありますが、
全てはこの「インパクトポジションの形」に繋がっている
ということを常に意識しておくことが、最速で正しいスイングを習得するためのポイントになります。